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ロサンゼルスへ帰る (2008年11月22日、アメリカ、太平洋標準時)

 ブライト・エンジェル・ロッジ裏側周辺のグランドキャニオン観光も終わり、そのロッジ前の駐車場から朝来た空港に向かうことになりました。車内ではガイドさんから、この周辺についての説明がありました。ブライト・エンジェル・ロッジ周辺からキャニオン ビュー インフォメーション プラザ周辺まで、国際的な観光地であり、そこで生活している人たちも多いと言うことでグランドキャニオン・ビレッジ(Grand Canyon Village)とも呼ばれているようです。

 車窓からも星条旗の立っている建物(役所か何か)見えたようですし、地図にも郵便局、銀行、雑貨店、その他がありました。ただ、ガイドさんの説明によれば、日常の生活や買い物は出来ても、やはり何か別な物などを購入する場合、遠くの都市に行かれるようで、その時には往復の時間含めて、ほぼ1日がかりと言うことでした。話は興味尽きないところもあるのですが、その中で、私はラバの話を少し覚えています。

ラバ=mule(ミュール)の話
  バスが出発して間もない頃、柵のある場所に小さな馬のような集団がゆっくり休んでいました。ガイドさんが、「あれがラバです。馬とロバをかけ合わせて出来たものです。一代限りで孫やひ孫はできないようです。グランドキャニオンのトレイルで乗れますが、人気があり早くから予約が必要です。ただし、体重など色々と制限などありますから注意も必要です」などの話がありました。

ラバ(mule=ミュール)

グランドキャニオン空港(ターミナルビル)
カリフォルニア州かアリゾナ州境付近の山脈
フリーウェイ (片側6車線に
プラス側道の4車線、合計片側10車線)

 帰国後に国語辞典の大辞泉などで調べたところ、このラバは<雄ロバと雌ウマとの交配による一代雑種。繁殖力はない。馬のような体格とロバの頑丈さをもち、ヨーロッパやアメリカで使役に用いる>と書いてありました。また、英語では、ラバのことをmule(ミュール)と言うようです。

  私は説明を聞きながら、車窓から慌てて数枚写真を撮りました。なるほど、日本で見慣れている馬よりも小型で、いずれも優しそうな顔立ちでした。私は、「このラバたちが、あんな高低差約1500mもあるようなグランドキャニオンの急な坂を、人を乗せて下ったり登ったりするのかあ」と思いつつ、「体格に似合わず力持ちなんだなあ」と関心もしていました。

 今日は休みなのか、もう一仕事を終えた後なのかは知る由もありませんでしたが、のんびりしているラバの姿を見ると、今までずっと断崖絶壁ばかりの景色を見てきて緊張感あったのか、なんか心安らぐ情景でした。

グランドキャニオン空港からホーソン空港に向けて
 バスは朝来た道路を、ほぼそのまま帰路にしているようで、10分くらいでグランドキャニオン国立公園空港(Grand Canyon National Park Airport)に着きました。ここではトイレだけすませて、お世話になったガイドさんに「ありがとうございました」などと言いながら飛行機前に並びました。

 機内後方から順番に搭乗客が進む関係上、わずかな時間があるので、自分の写真も撮ってもらいながら、また、ターミナルビル前で駐機中の飛行機などもカメラに収めていました。このノンビリとした雰囲気は改めていいなあと思いながら自分の順番がきたので機内に乗り込みました。

 航空機は普通、風下から風上に向かって離陸しますが、あまり風はなく、着陸した時と同じに方向のテイクオフのようでした。所定の離陸準備を整えると機体は誘導路から滑走路へと進んでいました。

 窓越しにカメラを構えていると、完全な丸ではないものの丸型の形をした建物が滑走路中央付近の左方向に見えました。上部にはガラスの張った部屋や屋上にはアンテナらしきものもありましたので、管制塔だったと思います。

 その空港も周囲の樹木も白っぽくみえる大地もみるみる遠ざかるように機体は上昇していきました。しばらくの間グランドキャニオンの景色も見えていましたが、さらに飛行を続けると、また、砂漠と岩山ばかりが窓一面に見えるようになってきました。

 先ほどまでの徒歩観光の疲れか、はたまた両機長の安定操縦のおかげか、段々と心地よくなって私は睡眠状態になってきました。30〜40分くらいは寝たのでしょうか、やや窓下に写る景色が違ってきていました。「あー、もうロサンゼルスかホーソン空港に近づいているのかあ」と実感しました。

 高度も段々下がっているようで最終の着陸態勢に入ると市街地が良く見えてきて、日本よりは色々な建物も民家も大きいのでしょうが、それでも先ほどの砂漠の景色が頭に残っていて、「けっこう市街地は密集しているようにも見えるなあ」と思いました。

 そうこうしている内にホーソン空港が見え着陸しました。滑走路上からは朝の時間帯にあまり見えなかった、管制塔も間近に見えてました。誘導路に入り、所定の駐機場に入りエンジン音が小さくなっていくと、機内では「これで楽しかった日帰り観光も終わったか」と言う感じになってきました。機体下で挨拶されている機長にお礼言いながら、空港ビルに入りました。

アメリカでの運転免許取得状況
  空港ビルの玄関先でワゴン車に乗り、今度はホテルを目指すことになりました。車内では運転手さんから、またロサンゼルス観光なども含め興味深い話が続きました。

 その中で、私は日本にいる時から「アメリカは訴訟大国とも呼ばれている」と聞いてはいたのですが、裁判例や弁護士の話などは面白く、メモを録りながら聞いていました。それ以外にも、ここで書きたいような話もあったのですが、今回はアメリカの運転免許取得や運転技量について書きます。

 まず、運転手さんは「アメリカ人は車大国なのに物凄く運転が下手だ」と話されました。「それに比べ日本の運転技量は世界的にみてもトップレベルである。日本の場合、18歳以上で何十万円もかかかり自動車学校などで何週間か数か月かけて免許を取っている(詳細は省略)」

 「アメリカは日本と状況が全然違う。年齢は16歳以上で費用は約1500円位。日数は予約次第では1日(正確には半日)で済む。 免許センターで筆記試験を受けたら仮免許がもらえる。実地教習などはない。その後、予約を取り自分の車を持ち込んで免許をとることになる」

 「つまり簡単に言うとアメリカでは16歳で約1500円を払い、1日かからずに運転免許が取得できると言うことだ」、 「運転が上手な訳がない。だから事故も多い。皆さん、気をつけて下さい」(笑い)、「こちらの道路はコンクリート舗装で頑丈で長持ちはするが、雨の日は滑りやすく、あちこちで交通事故が多く、中には車がひっくりかえっているのをよく見かける」 などでした。

  興味深い話は尽きないのですが、車はフリーウェイから夕方前の市街地のやや混雑しかかった道路に入ってきました。もう見慣れた感のあるビバリー・センタービルの大きな建物が見えると、その前はホテル・ソフィテルLAでした。「お疲れ様でした」、「ありがとうございました」とのやりとりをするとホテル内に入り、しばし部屋で休むことにしました。

 出発時の時にも書きましたが、このグランドキャニオン日帰り観光は日本換算するなら長崎から大阪の手前辺りまで(東京からなら青森の付近まで)飛行機で行き、現地で昼食をとった後、大峡谷を見るツアーです。全然疲れていないと言えば嘘になりますが、これほど充実した1日あるいは時間を本当に有効に使った日は久し振りみたいな感じで、私は大満足でした。

(掲載日:2009年2月11日)
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(旅行メモ)
13時15分、ブライト・エンジェル・ロッジ前の駐車場から バスでグランドキャニオン空港へ出発
13時25分、グランドキャニオン空港へ到着
13時45分、セスナ機でグランドキャニオン空港を離陸 <機中からアリゾナの砂漠など見る>
15時20分、ホーソン空港へ着陸
15時25分、ホーソン空港からワゴン車でホテルへ向かう
        途中、車内で運転手さんから色々と話を聞く
16時00分、ホテルへ到着
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