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5)和包丁    日本、堺一文字光秀

日本刀そのもの

私は、1979年6月、会社の寮からアパートに移ることとなりました。最初は、外食ばかりでしたが、小さなキッチンもありましたので、自分で簡単な食事も作ろうと思いました。包丁は、最初スパーで何でも切れる3千円くらいの物を買い求めました。この包丁自体は、結構長持ちしていて今も使用しています。

 しかし、その後、すし屋や居酒屋の大将・板前さんと話しをするようになり、段々と使用している包丁についても教えてもらいました。包丁についての共通点として、

1、大まかに、硬いのはプロ向き。柔らか目は素人向きで手入れしやすい。
2、和包丁は、(砥石使用しての)手入れも頻繁にやる必要があるが、その分手に馴染んでくる。(購入時の長さより、半分近くまでなった包丁を何回も見せてもらった)
3、洋包丁は、シャプナーでこする程度で通常は良く、年数回の砥石がけで充分である。
4、長期間使用しない時には、洗浄後、熱湯を刃全体にかけ、その後包丁立てか布にくるんでおけばそれだけで錆は、こない。さらに油をぬればもっと良い。
5、値段は、色々あり、セットで30万円、50万円などもある。
6、魚や鶏などの硬い骨を切る時の包丁として、出刃や中華包丁はいいが、洋包丁やその他の包丁は、刃こぼれの原因となるので、絶対使用しない方が良い。
7、冷凍物には、普通の包丁は使用せず、(のこぎりの様な)冷凍用ナイフを使用する。
などを聞かせてもらいました。sakai01.jpg (17169 バイト)

 その後、自分なりにまとめ買いをしようと思い、洋包丁4本、和包丁2本、中華包丁1本を決めました。1997年3月、田舎に引っ越す前に、難波・道具屋筋の堺一文字光秀店で全部購入しました。その中で今回、刺身と出刃の和包丁2本を紹介します。

 この刺身と出刃の和包丁は、第一印象「まるで日本刀みたいだ」でした。特に、刺身包丁は、刃の少し手前にまるで日本刀と同じような波型の模様があります。また、両包丁とも、刃と柄の間には、水牛の角が付けてあります。

 刃の身の部分には、小さな字で「堺一文字」、大きな字で「光秀」と手彫りを施してあります。職人の誇り、心意気を感じるものです。さらに、この包丁箱は、銀色でその表面には日本刀の鍔(つば)のロゴマークがあります。この箱には、保証書と刃物とぎサービスが同封されていて、職人及び会社の自社製品に対する絶対の自信も感じました。

 魚を出刃でおろし、その後刺身包丁で切りますが、気分はまるで短い日本刀で料理するプロの板前気分になります。つまり、食べる前から楽しいのです。うまく皿に盛り付けもし、ビール片手に食べる魚は、格別です。(記:2001年5月25日)

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