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聞いた言葉・第149回目、自然こそ不変の価値なのである。

自然こそ不変の価値なのである。

  今回の言葉、歴史小説で有名な司馬遼太郎氏の本=『二十一世紀を生きる君たちへ』(2001年11月12日、世界文化社)の一節からです。 まずは、今回掲載している司馬氏と不変の言葉の意味について、国語辞典の大辞泉を引きますと、次の<>内の通りに書いてあります。司馬遼太郎(1923〜1996)小説家。大阪の生まれ。本名、福田定一(ていいち)。戦国時代や幕末などの変革期に題材をとった歴史小説を数多く執筆。 広い読者層を得て、昭和を代表する人気作家となった。「梟(ふくろう)の城」で直木賞受賞。他に「竜馬がゆく」「国盗(と)り物語」「坂の上の雲」、 紀行文「街道をゆく」など。平成5年(1993)文化勲章受章>、<不変=変わらないこと。また、そのさま。不易。>

  次に、この『二十一世紀を生きる君たちへ』の書籍についてですが、これは児童書と言いますか小学生向けの本だと思われ、漢字が少なく平仮名の多い文章です。ただし、この文章の内容は、(児童向けと言えば当然のことながら、私のようにいくつになっても不勉強者でも)大変分かりやすいのと、それでいて無駄のない、さらには色々と考えさせられる内容ばかりです。 この本は、次の<>内の書き出しで始まっています。

 < 私は歴史小説を書いてきた。 もともと歴史が好きなのである。両親を愛するようにして、歴史を愛している。> 書籍名称や先の「」内文章でも分かる通り、歴史の大局を見て、司馬氏のこれまで歩んで来られた人生を振り返って、また人として誰でも避けて通れない死を考えながらも、これから21世紀で活躍するであろう将来ある子ども達に対して羨望のまなざしで、その目は暖かく、まるで一人ひとりに語りかけるような力強いメッセージです。

  この本の中で、色々と述べつつ、<自然こそ不変の価値なのである。>との文章があります。何故、書いてあるのでしょうか。それらは、この文章の前後に、司馬氏は答えも書いておられます。その意味をさらに私なりにまとめ直してみますと、生きとし生けるもの、人も動植物も全てが自然の恵みと支えによって生かされているということを司馬先生は、述べておられるように思えます。私は、この言葉を見た時、短い文章ながら、なかなか奥深いのではないかと思いました。

 この「自然によって生かされている」と言うことは、人は一人では生きられないし、だからこそ助け合っていかなければ、その存在さえも危ういものだとも解釈できるでしょう。ましてや、人間同士で殺し合い(戦争など)は、もってのほかで全くこの摂理に外れた行為でしょう。

 このような中で人が存在し、生きていること、それ自体も本来素晴らしいことだと思います。さらに個々の単位で見れば中には、ずば抜けた才能や色々な力を発揮され世界中に名声を轟かされている方も様々な分野でおられます。でも、一方、人の寿命はどんなに長生きしても百数十歳までですし、その大きさも、どんなに大金持ちでも私のような貧乏人でも「人間座って半畳、寝て一畳」くらいしかありません。

 それに比べ自然は、なんと大きいし地球に生きるものたちを何億何千万年と養い支えてきたのでしょうか。長い時間の単位で見れば山、川、土地、海の大きさや形状も変わったのでしょうが、地球に生命を受けた動植物を育んできたと言う一点においては、それこそ自然こそ不変の価値だったと思われます。

 この原理原則を知識や経験として知っておられた先人は、自然の美しさ、豊かさやその恵みに感謝しつつも、一方では災害などに対しては畏怖心も持っておられました。だからこそ、古来から「八百万の神様(やおよろずのかみさま)、仏様」との言葉がある通り、先人は自然を長年敬ってこられたと思います。それが現在、様々な面で、特に戦争とか原発事故その他、全く自然の摂理に反するような出来事が続いています。

 このようなことは、結局営々と何十万年も続いてきた人類としての歴史や存在そのものにも様々な危機的状況を造り出しているような気がしてなりません。私は、聞いた言葉シリーズ・第110回目に、『人類3大課題 環境、エネルギー、食糧』 を掲載中です。これらは、例えば戦争とか原発事故などが全くなくても避けて通れない問題ばかりでした。しかし、先の戦争や原発事故などが発生するたびに、さらに課題が大きくなっています。これらの諸問題は、間違っても自然が作りだしたものではありません。まさしく、人間が引き起こしたものです。

私の関係ホームページ
 人間座って半畳、寝て一畳
 自然の中で生かされている
 機械(ハイテク)もすばらしいが、人間も素晴らしい
 人類3大課題 環境、エネルギー、食糧
 人は生きるだけでも大事業

 一見どれも解決不能みたいにも見える大きな問題もあります。ただ、「人は明日の天気までは変えられない」ですが、人が作った様々な諸問題は、逆に時間かかっても人によって何とか改善策を見つけることも、その解決策の実行も可能とも言えます。

 今回、自然の摂理に逆行したことを改めない限り、あるいは人として引き越した戦争などは解決していかない限り、地球に存在しにくくなるのではないかとも書いてきました。この<自然こそ不変の価値なのである。>は、そのようなことを正す意味、そして自然や生命を大切にすることを改めて教えておられるような気がしました。
 

(記:2012年8月7日)
  

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