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 パリは燃えているか(Is Paris Burning)
私の聴きたい音楽(曲)シリーズ

曲名 パリは燃えているか(Is Paris Burning)
作詞 -
作曲 加古 
1995年3月から1996年2月にNHK総合テレビで毎月放送の「映像の世紀」のテーマ曲
演奏者 加古隆クァルテット
備考 -
この曲について
 まず、加古隆氏の作曲「パリは燃えているか」は、NHKのドキュメンタリー番組『映像の世紀』のメインテーマ曲です。また、この番組は、1995年3月から1996年2月にNHK総合テレビで毎月放送された全11集のシリーズです。

「映像の世紀」の生まれた経緯は
 これから書くことは、主に次の<>内サイトから引用・参照しています。<中日新聞の〈歴史のうねり、演奏とともに 名古屋で9月「映像の世紀コンサート」〉(2022年7月23日)>や、<前同、ユーチューブ動画の〈作曲家・ピアニスト加古隆さん 「映像の世紀」を語る(2022年7月22日)>さらに他のユーチューブ動画も見ると同氏は、この曲について、けっこう詳細に語っておられます。

パリは燃えてるかが収録されている
アルバム(画像はアマゾンサイトより複写)
 そのお話を(趣意を変えない範囲内でまとめ直して)箇条書き風にしますと、「映像の世紀」の生まれた経緯については、主に下記の内容のようです。(太文字は上野が付けた)
 ・ NHK「映像の世紀」番組開始(1995年3月)の約半年前から、作曲準備をしていた。

 ・その(メインテーマ曲の)依頼内容について、主には100年間の歴史のうねり感・スケール感があり、印象に残るようなメロディーにして欲しいということだった。それに僕が思ったのは、大河歴史ロマンの映画音楽曲のようなものが良い、例えば映画「アラビアのロレンス」のような曲である。

 ・それらをヒントに作曲し、最終的には「パリは燃えているか」になった。

なぜ曲名を「パリは燃えているか」にしたか
 ・なぜ曲名を「パリは燃えているか」にしたかというと、「燃える」は戦争や破壊をイメージがする。しかし、若い頃に長年パリに住んでいた。その体験上、パリには人間が生み出した文化、歴史、生活、建設物含めてある。人は愚かなこともあるが、素晴らしいこともある。それらを、この曲で表現した。

 (他にも「メインテーマ曲だけでなくサブテーマ曲を100曲つくった」「その時代や国(地域)にあった曲、例えばアメリカならジャズ風とか」などの作曲だけでなく、多くの事柄も話されている。(その内容は、本ページでは省略)
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<上野の感想や関係内容>
 ここから、上野の感想や関係内容を書いていきます。先に私が思っている歴史観を書きます。私は、古くは旧石器・縄文・弥生時代から現代まで、いつの時代の歴史事項にも興味を持っています。そして、先の番組「映像の世紀」つまり20世紀についてです。上野なりの解釈で、それまでの世紀に比べたら、20世紀は、それこそ第一、第二次世界大戦を始め数多い戦争あるいは広島・長崎原爆をはじめ多大な犠牲者、動物、各種建物、資源や自然破壊など、とんでもないことが何十回も起こった世紀です。

 しかし、一方で20世紀は、19世紀まで考えられないような植民地の独立、普通選挙の実施、(今なお不十分さはあるものの)男女同権や民族人種差別是正の推進、(家父長的な家族感より)個人の意思の尊重、航空・宇宙やITなどに代表される科学技術の大きな進展など、人の生活・文化面含めて他の、どの世紀より大きく発展した時代だとも思っています。

 そのようなことを踏まえながら何十回となく、私は「パリは燃えているか」の曲を聴きました。悲しい様々な映像を見ながら、この曲を聞くたびに姿勢を正しくたくなるような気分になります。人同士が殺し合う戦争はじめ紛争、暴動、破壊などから何回も世界でも日本でも、人はいい知れぬ悲壮感、絶望感もあったことも曲に表現されていると思います。
映画「パリは燃えているか」(DVD盤)
-画像はAmazon販売サイトより

 しかし、人々は、それでもなお心の優しさ、生きるたくましさを忘れず、未来に向かって努力すれば必ずや良いこともあるのではというメロディーにも聴こえてきます。特に、加古隆クァルテットの繰り返し演奏されている旋律は、穏やかながらも高らかに人間讃歌を奏でておられるようにも感じます。

 あと、ご参考までに。右側の画像tや下記の用語解説にも書いていますが、この「パリは燃えているか」と同名の映画があります。史実がこの通りか、どうかは別としても、下記の高知新聞サイト内容通り、この映画内の最後の方でパリ破壊を命じたナチスのヒットラーが、破壊されずに済んだ後、パリの一室に置かれた電話口で「パリは燃えているか」と何回も問い合わせる言葉が虚しく響きわたるシーンがあります。この場面は、さしもの強大な独裁者でも、哀れ末路しかないことを連想させるものでした。

---------<用語解説>-----------
1) 映画「パリは燃えているか」= 1966年製作のアメリカ・フランス合作映画。原題《Is Paris Burning?》。第二次大戦末期のパリ解放を描く戦争映画。監督:ルネ・クレマン、出演:カーク・ダグラス、グレン・フォード、オーソン・ウェルズ、ジョージ・チャキリス、アラン・ドロン、アンソニー・パーキンス、ゲルト・フレーベ、ジャン=ポール・ベルモンドほか。 (デジタル大辞泉プラスより)

2) 「パリは燃えているか」は誰の言葉かについて----(2022年3月20日の高知新聞サイトより) 〈パリは燃えているか」は第2次世界大戦のパリ解放の際に、ヒトラーが発したというセリフだ。「敵に渡すくらいなら灰にしろ。跡形もなく燃やせ」とドイツ占領軍司令官のコルティッツ将軍に命じた。  しかし彼は無視して降伏。結果、パリを救った男として後世に名を残す。同名の映画では、無人となった司令部の受話器から、命令を執行したか確認する独裁者の声がむなしく流れる。〉


 (初回掲載日:2023年7月17日、第二次掲載日:7月24日)

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