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私の温泉紹介
山梨県、身延温泉 身延温泉ホテル
都道府県名、地名、温泉地名など 入湯した旅館名(温泉施設名)
山梨県南巨摩郡身延町 『身延温泉 身延温泉ホテル
主な泉質、温度など 備考(注:文章や写真は当時の情報です)
弱食塩泉 この旅館のホームページは、ここからどうぞ。
身延温泉ホテル、温泉分析表
大きな下駄と草鞋(わらじ)
菩提梯(ぼだいてい)、287の石段
  私が山梨県に行った目的は、全国47都道府県の中で(1995年当時)ただ一県のみ行っていなかったからです。当時大阪在住でした。

 この時期を逃すと、航空便の路線その他の理由から、田舎の長崎に戻れば、そこからはなかなか行きにくい所と思っていましたので、かけ足旅行になるなあと思いつつ、新幹線で、まずは静岡まで行きました。

 1995年9月23日静岡に行き、そこを少しぐるぐるとまわって一泊し、次の日(9月24)に甲府市に泊まることにしていました。そこまでの中間当たりに、どこか温泉地か観光する場所はないか、ガイドブックで探していました。

 私は、国内でもヨーロッパでも、美術館、お城、神社や寺院などを手当たりしだいみたいに見てまわっていましたので、身延山なら温泉もあるようだし、行ってみようと思いました。早朝、静岡駅を出発し、富士駅で乗り換え、身延線に乗ると、甲府までだいたい中間当たりに身延駅はありました。

身延駅から身延山行きのバスに乗り換え、総門近くのバス停で降りました。参道横に、この温泉の案内は見えましたが、まずは、久遠寺(くおんじ)を目指しました。三門近くに、下駄とわらじがあったので写真に収めました。

 なお、この三門、普通は山門と言いますが、寺の本堂を覚りとすれば、この正面の門を三解脱門(空・無相・無願)の三つにたとえて三門と称するそうです。

 そこから歩くと緑の木立が深い所に、一直線に伸びた287段の階段があります。この石段は菩提悌(ぼだいてい)と呼ばれています。三門と本堂を一文字にむすぶ菩提すなわち悟りへ至る階梯のことで、三解脱門の三門を経てこれを登れば、涅槃(ねはん)の本堂に至ると言うことだそうです。

 私は、宗教的なことよりも(その時は)ここの石段しか本堂へ登る道はないのだろうと思い、まあスゴイ階段だなあと思いながら、ゆっくり進みだしました。

 ところが、日頃の運動不足がたたって、3〜4回休憩してもこの急な石段の頂上は、なかなか見えてこず、息がゼイゼイし始め、自分でも大丈夫かなあと思っていました。

 やっと登り切った所で息を整えるため、石段を見下ろしたり、ぐるりを見たら、軽自動車が止まっていました。「なーんだ、ここに来るには車道もあったのか」と思ったりしたものでした。

 本堂自体も大きなものでしたが、隣の祖師堂とか言うのも大きいものでした。本堂の中に入り、ぐるりと見ましたが、一番ここで印象に残ったのは天井に描かれていた黒い龍でした。この龍は、なかなかの迫力のある絵でした。

 石段でたっぷり汗もかき、帰りに目的の身延温泉に入ることにしました。朝早かったこともあるのか、たった一人の貸切状態でした。川のそばの窓は明るくて浴場も広く、中央部にタイル貼りの浴槽がありました。

 のんびり、ゆっくり浸かっていると先ほどの疲れが徐々に引いていく感じに思えました。また、「あー、ここの温泉は参拝客が、あの心臓破りの石段を登って本堂にお参りした後、疲れと汗を流すために造られたのだろうなあ」と、改めて一人で納得していました。

 外に出ると足取りも軽くなり、野鳥の鳴き声もより一層良く聞こえる感じでバスに乗り込みました。駅近くで飲んだ生ビールは、おかわりしながら昼食を食べていました。
(掲載日:2005年8月18日)

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