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コロンナ広場、パンテオンなど
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コロンナ広場 と
アウレリユスの円柱
1996年9月1日その
コロンナ広場とマルクス・アウレリユスの円柱
 9時過ぎにトリトーネ通りから脇道を行くと直ぐの所に、ガレリア・コロンナと言う1923年に出来たと言う古いアーケード街がありました。日本のどこにでもあるような見慣れたアーケード街と違って、なんか趣のある、ゆっくり歩きたいような通りで、朝なのに人の流れもマアマアでした。

 このやや暗めのアーケード街を通り抜けた関係もあるのか、次に見たコロンナ広場は夏のローマの太陽がサンサンと輝き、青空も抜ける感じでした。この広場には、マルクス・アウレリウスの円柱が建っていました。この円柱は、彼のドイツ遠征勝利を記念して180年頃にできたもので、高さ約30m、直径約4m弱と言われています。

 マルクス・アウレリウスは、ローマ五賢帝(ネルヴァ、トラヤヌス、ハドリアヌス、アントニヌス・ピウス、マルクス・アウレリウス)の一人で、戦に行くときにも読書を欠かさず哲学者皇帝とも称されています。この円柱には台座の上から頂上まで、らせん状にドイツ遠征時の逸話が、びっしりと彫刻されてあります。ただし、何分高さがあるため、目に見える範囲内が限られているので、どんな逸話か何の戦闘シーンなのか、私には分かりませんでした。

 写真撮るのも単純な構図ながら、円柱の丁度いい高さと背景になる(広場に面して建っている)キジ宮殿などの取り合いを考えると、全体なのか、部分なのかシャッター押すのに手間取りました。あと、フランスのヴァンドーム広場にあるナポレオンの記念柱は、このマルクス・アウレリウスの円柱を真似したものと言われています。

 私は先にパリのナポレオンのを見たのですが、道理で似た感じがしました。この広場まわりにあるキジ宮殿、ガレリア・コロンナ、コメルチアーレ・イタリアーナ銀行などは、ローマならどこにでもありそうな建物の雰囲気でした。

ハドリアヌス帝の神殿
 コロンナ広場から脇道を通り、パンテオンに向かって歩いていたところ、突然と言う感じで建物横に円柱が10本くらい建っていました。最初「これは、何だろう、なにかの遺跡かなあ、建物と一体になっているのかなあ」などと話し合っていました。結局、写真も何も撮らず、歩いて通り過ぎました。

 この時、ガイドブックで良くたしかめれば良かったのですが、後でハドリアヌス帝の神殿の柱だと分かりました。ちなみに一体に見えた建物は現在証券取引所とのことでした。反省しても後の祭りでした。このように、たとえ下手な横好きの素人写真家とはいえ、油断もすきもできないのが、やはりローマのローマたる所以でしょうか。

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パンテオン と ロトンダ広場
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パンテオンの内部
パンテオンとロトンダ広場
 次にかなり開けた感じのロトンダ広場に出てきました。先には丸屋根のパンテオン(万神殿=「すべての神々」を祀る神殿)が見えて、早速近づくとギリシャ神殿風の柱の上に文字が見えました。この文字はどうも「マルクス・アグリッパが建てた」と書いてあるようでした。

 このパンテオンはアグリッパが紀元前25年、初代ローマ皇帝アウグストゥスの側近マルクス・ウィプサニウス・アグリッパによって建造されましたが、後で焼失し、その後118年から128年にかけて、皇帝ハドリアヌスによって再建されました。

 全面建て直しだったようですが、ハドリアヌス帝はアグリッパに敬意を払い、あの文字の通りにしたようです。屋根は球状で直径、高さとも43.3mとのことです。下の方の壁の厚さは約6mとのこと、まさしく威風堂々した建物でローマの八百万(やおよろず)の神様を祀るにふさわしいものです。

 このパンテオンはその後、キリスト教会になったり様々な変遷はあるようですが、それにしてもこのような建物が約2千年前に建てられ、それがそっくりそのまま今も現存しているとは、驚異と言う表現しか思いつきませんでした。

 パンテオンのファサードや高い柱に見とれながら、内部に入るとなんか荘厳な趣がしました。丸屋根の空間から下の暗いところまで光が差し込み、しばし沈黙せざるを得ない時間でした。「あそこは確か画家のラファエロの墓になっているよ」と言いながら、見に行きました。しばし、雑談したり天井からの光のあたっている床に立ったりしていました。

 その後、パンテオンから出たらロトンダ広場の左側に『バール・ディ・リエンツオ』店に行きました。壁にはツタみたいな緑の葉っぱが茂り、ひさしとテラス席の大きな日傘は白かったです。ここで、ゆっくり、今まで歩いて見てきた話を30分近くしました。あと、この店近くかどうか正確さは分かりませんが、映画『ローマの休日』が、このロトンダ広場周辺で撮影されました。

 アン王女(オードリー・ヘップバーン)、新聞記者ジョー・ブラッドレー(グレゴリー・ペック)、カメラマン役のアーヴィング・ラトビッチ(エディ・アルバート)と、この場所では役者が揃ったシーンが撮られました。ここでアン王女がシャンペンを飲みタバコをふかすシーンとか、またアーヴィングへ飲み物をこぼしたりとかの場面です。この店の名前は映画では「BAR G. ROCCA」となっていましたが、実際はないようです。

 でも、私たちが休憩した店のテラス席からもパンテオンや広場を行き交う人など見ていると充分映画の雰囲気も味わえ、ゆっくりできました。10時15分頃には、この店で会計を済ませ、ここからあまり遠くないティヴェレ川方向へ向かいました。

(旅行メモ)
09:00 トリトーネ通りから脇道に入り、ガレリア・コロンナ(アーケード街)を通り抜けた。
09:10 コロンナ広場に入り、キジ宮殿、マルクス・アウレリユスの円柱などを見た。
09:20 コロンナ広場に面したコメルチアーレ・イタリアーノ銀行脇からハドリアヌス神殿前の小さな広場を歩いた。
09:30 ロトンダ広場に入り、パンティオンを見学した。
09:50 ロトンダ広場横の『バール・ディ・リエンツオ』で休憩した。
10:15 『バール・ディ・リエンツオ』店を出て、ティヴェレ川方向へ向かった。 .
(掲載日:2006年6月5日)

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