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第9日目10月24日(日)

駆け足のオルセー


 06時30分にパリ2日目の朝が来て入浴した。今日どこに行こうかと思いガイドブックに目を通した。小林さんから「上野君は一度行ったが皆を蚤の市のクニャンクールに案内しようか?」「いいですね」とその時は返事した。

 07時30分、朝食は全く昨日と同じだった。食べながら「今日はどこに行きましょうか?」と尋ねると各々希望があり、しかも皆さん別方向ばかりだった。私は小林弁護士夫妻と行ったことのないオルセー美術館に行くことに決めた。

 08時20分、ロビーに集合し、小林さんに「済みませんね」と言うと「ガイド役は解任されたよ。皆さんしっかりしているから大丈夫だよ」と言われ、途中まで一緒に行くことになった。10分後にはオルセー美術館のオープンまでの時間調整のため、マドレーヌ寺院で朝のミサを見た。

 09時10分、オルセー美術館の長蛇の列に並んだ。昨日より動きは良かった。入り口付近はもう沢山中に入っていて「今日は開館時間が早かったようですね」と夫妻とお互い話しをしていると40分はかかったが09時50分には入館できた。早速売店で 135フランの日本語ガイドブックを買った。

 足早にミレー、セザンヌ、アングル等の有名絵画を見た。とにかく駆け足で少し汗をかくほどだった。「最後にゴッホの絵を見たい」と3人とも思ったがなかなか探しきれなかった。スタッフに小林弁護士が「ビンセント・ヴァン・ゴッホの絵はどこにあるのか?」と質問され、これがタイムリーでやっとギリギリ最後にゴッホのコーナーも見れた。もっとゆっくり最低でも半日かけてみたい所だった。

 11時05分、オルセー美術館を出た。お土産買うためにバッグを夫妻に預かってもらい、駆け足でリヴォリ通りに走った。コンコルド橋を渡り、10分にはチュルリー公園前のブティック『オルリー』に着き、スカーフ(1枚定価350フランを298フランで)、帽子(59フラン)等をまとめて買った。時間がないためチップも払わず走った。

 息を切らせながらもコンコルド広場の大通りからホテル・リヨン横へ、レストラン・マキシム前を通り、次はエルメス店でその向こうだと確かめながら行った。集合時間の11時30分にはホテルのロビーにオンタイムで間に合った。まだ、数人揃ってなく、オルセー美術館やお土産店の話しをしていたら、息も整いメンバーも全員集まった。

 11時55分、送迎バスは出発し、今回は日本人男性ガイドが案内してくれた。 バスの進行方向には革命200周年に各国の首脳が集まり会議したアルシェ・サミットの場所にもなった『アルシェ凱旋門』、以前行ったことのある『モンマルトルの丘』、白亜の大聖堂『サクレクール寺院』等が見え、思わず顔を窓につけた。

 バスは蚤の市で有名な『ポルト・クニャン・クール』を通り過ぎ、今度は左に折れ一路高速道路をシャルル・ド・ゴール空港へとひた走った。(1994年1月1日記す)

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