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はじめに

  私は、2015年12月17日から28日までドイツのシュトゥットガルトと、スペインのバルセロなどの旅行に行ってきました。この旅行の誘いは、姪から義兄を通じてありました。(2015年12月)現在、シュトゥッツガルト在住の姪を訪ねて日本からは、義兄と一緒の旅となりました。

 念のため、冒頭の扉ペーには、シュトゥットガルト・バルセロナ旅行記と、タイトルですから短く書いていますが、両市の全部を見た訳ではありません。また、何かのツアーではなく、全くの個人旅行のため、何か最初から決まった観光コースを巡るようなことではありませんでした。バロセロナでの3日間は、日本語ガイドさんへ半日観光コースを依頼済みでしたが、それ以外は主目的はあっても、その日の体調や気分に合わせて、「今日は・・・へ、明日は・・・・へ、行ってみようか?」と話し合って出かけていました。

ドイツ、シュトゥッツガルト、古都エスリンゲンで、左側は聖ディオニス教会、中央は木組みの家、手前はネッカ川の支流

 シュトゥットガルトでは、義兄も私も(感じとしては市内のペンションみたいな)ホテル宿泊でしたが、昼食や夕食などは姪のアパートで食べたり、打ち合わせをしていました。バルセロナでは、市街地の中心部にある、最大10人位住める広いアパートメント・ホテルで4泊しました。

 当然、できるだけ費用節約のため、ホテル近くのパン屋さんから、その日の食事分(可能なかぎり3食分)をパンだけでなくサラダ、飲み物を購入して過ごしました。ハム、ソーセージなどは、観光から帰る道すがら別の店で買ってもいました。

 私の海外旅行記は、今まで『ヨーロッパ3空港調査旅行記』、『スイス・パリ旅行記』、『ローマ・パリ旅行記』、『ストラスブール旅行記』、『カリフォルニア旅行記』、『オランダ旅行記』と6編が既にあります。この6旅行記とも、私が「見て、聞いて、食べて、歩いた」ままみたいな内容です。今回のシュトゥットガルト・バルセロナ旅行記も、この方法とほぼ同じような書き方で掲載してみようと思っています。

 あと、観光地を巡るだけでなく、私は個人的な興味で各都市の経済状況(特に、農業、商店、各通りの商店街)なども出来るだけ見て、そして写真も沢山撮りました。そのことで一番印象深く感じたのは、私達が行ったシュトゥットガルトもバロセロナも(広く言えばドイツもスペイン)も、想像以上に景気が良く、活気があることでした。

 とりわけ、スペインは2012年頃、経済・金融危機などが日本の在京テレビ局などを中心に大々的に報道されていました。そして、その内容は、「いずれ国自体が破産する」みたいな雰囲気さえ感じさせるような報道でした。たしかに、一時期は厳しい局面はあったことも否定できないでしょう。

 しかし、その後の状況が分からないまま現地スペイン(バルセロナ)を訪れて、私は大変驚きました。どの観光地も、どこのクリスマス市も、どの通りの商店街も何千、所によっては何万人という客の波です。デパートや飲食店も似たようなものでした。

 さらに、石造りの建物ばかりですから、あまり改築とかは必要性はないかと思われますが、それでも、けっこう多くの工事現場も見ました。つまり、建築や設備投資なども盛んだと言うことです。ただし、たった5日間ほどのバロセロナ滞在で全て分かったみたいなことは、私は言いませんが、それでも、日本のテレビ報道などで知っていた情報の違いに言葉を無くしたことも事実です。

スペイン、バルセロナのサクラダ・ファミリア(聖家族教会)<世界遺産>

 これら経済復興の要因は、色々あるかと思われますが、ヨーロッパの主要国のほぼ全部の国が、教育費や医療費は原則無料で、しかも週休2日制プラス年間5〜6週間ほどの有給休暇です。ですから、生活するに不安そのものが起きにくく、貯金を熱心にやっていくとの言葉も、あまりなじみがないそうです。

 ですから、このような極一部の見聞ながら先の事柄を総合的に考えれば、この生活豊かな状況、国民の潜在的に常に持っている力(財政力含めて)が、(消費)経済に反映し、下支えしているので必然的に景気も回復し、それらが山谷はあれど昔も今も継続していると思われます。

  それに反して、日本は教育費や医療費は負担もあり(さらに増え続け)、現役時代も税金や社会保険料が過重に課せられ、やっと何とか定年退職しても、年金からさらに介護保険料なども天引きされている状況です。また、若い方も大学を卒業しても、正社員になりたくてもなれず、一生派遣みたいなことまで起こりつつあります。

  さらに、今の状況を簡単には書けませんが、国民・中小零細企業はじめ弱い立場に置かれている人たちには「医療制度の不安」、「年金不安」、「過労死」、「格差社会」、「不安定雇用者の増大」、「大量解雇」、「ワーキングプア」、「ホームレス」、 「年間自殺者3万人」、「離農」、「農業後継者不足」などの言葉がマスコミ報道から長年消えたことがありません。

 日本は、GDP(国内総生産)統計上で、今なお世界第3位です。(ご参考までに、ドイツは4位、スペインは14位) なぜ、同じ資本主義国、同じような商品販売、同じ人間がおこなっているのに、これほどヒドイ落差があるのでしょうか。例えば、いくら物価が安いスペインでも、日本の半分以下の価格で新車が出来て、売れられているみたいな魔法はないのです。

  私は、今回の旅行も観光中心には変わりありませんが、ドイツやスペインの状況を直接見て、日本の実態と対比して、その差が改めて良く分かりました。そして、ドイツ人やスペイン人に出来て、(時間かかったとしても)「同じ人間のすることだ、日本人にも出来ないことはない」と言う、かすかな展望も感じました。

 この旅行記は、当然、観光地についての内容が主となります。ただ、日本ではなかなか見えていなかった事柄も、いい機会ですので幅広く考えながら書いていこうと思っています。閲覧して下さる皆様、私のつたない文章で、しかも予定通りに掲載できないかもしれませんが、ご覧頂ければ嬉しい限りです。(掲載日:2016年1月3日)

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