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私の温泉紹介
兵庫県、城崎温泉、月本屋旅館
都道府県名、地名、温泉地名など 入湯した旅館名(温泉施設名)
兵庫県城崎郡城崎町湯島、 『城崎温泉 月本屋旅館
主な泉質、温度など 備考(注:文章や写真は当時の情報です)
ナトリウム・カルシウム−塩化物高温泉、62度 この旅館のホームページは、ここからどうぞ。
城崎温泉、大谿川と柳
鴻の湯、庭園風呂
  「文学の香りのする温泉」と言えば、私は城崎温泉を思い浮かべます。平安時代初期の歌人の詩にもこの地は読まれているようですから、実際はもっと古くから文化人も訪れているのでしょう。

 明治、大正時代それから現在に至るまでの作家や文化人などの歌碑、句碑、記念碑などが、数え切れないほど、多数あります。その内のいくつかを外湯の近くで見て、「あー、この方も城崎に来ておられたのか」と思ったものです。

 そのような中で、私は学生時代に習った「山の手線の電車に跳ね飛ばされてけがをした、その後養生に、一人で但馬の城の崎温泉へ出掛けた。」という書き出しで始まる志賀直哉の『城の崎にて』を思い出します。

 文芸とか詩などとは無縁の私でも、行ってみたいと思いつつも、なかなか行けませんでした。しかし、田舎に再度住む前に行ってみたいものだと考えていたところ、1回目1994年10月25日・26日、2回目12月12日・13日と、同じ年に2回も行くことが出来ました。

 2回目は知人の機長や同僚たちと一緒に行きました。ここに掲載している写真は、1回目のものです。城崎と言えばイメージとして、大谿川(おおたにかわ)と、しだれ柳を思っていたのですが、撮る時間が夕方になりました。夏の新緑の頃の写真が撮れれば、いいだろうなあと思います。

 泊まったのは和風の『月本屋旅館』さんでした。ここには、もちろん内風呂もあるのですが、当地での一番の売りはやはり外湯巡りです。入浴用のタオルなどを駕篭(かご)に入れて、片手に持ち、ゆかたに着替えて下駄をカランコロンと響かせながら、出かけました。

 大谿川沿いの通りには、昔懐かしき射的場、手動のパチンコ台やスマートボールなどもありました。地元の手工芸や竹細工など見ただけでも楽しいお土産店もけっこうあり、ついつい立ち寄ってしまいました。

 
外湯巡りを1日でたくさん巡る時には、あまり長く入らないで次ぎからつぎへと行くのがいいとは聞いてはいましたが、やはり、最初の温泉には長湯になりました。ここで、城崎温泉の外湯を下表にまとめておきます。なお、『さと湯』は当時はなくて、後年にできたました。(資料は当時のパンフレットなどからですが、追加文もあります。)

温泉施設名
効  能
温 泉 の 起 源 や 由 来 など
鴻の湯 ・不老長寿、・夫婦円満、 コウノトリが足の傷を直したとのこと。温泉発祥地。庭園露天風呂あり。
御所湯 ・良縁成就、・火伏防災 後堀河天皇の御姉安嘉門院が入湯されたとのこと。
まんだら湯
・商売繁盛、・五穀豊穫 道智上人の曼陀羅一千日祈願によってお湯が湧き出たとのこと。
一の湯 ・交通安全、・合格祈願 江戸時代の医学者が、「天下一」と推賞したとのこと。
柳湯 ・子授安産 中国の名勝西湖から移植した柳の木の下からお湯が湧き出たとのこと。
地蔵湯 ・家内安全、・水子供養 泉源から地蔵尊が出たことから名付けられた。
さと湯 ・自然回帰 日本最大の駅舎の温泉。








 私は、この外湯巡りは全部はできませんでしたが、4箇所入湯しました。気に入ったのは、(このページ左側に掲載している写真)『鴻の湯』の庭園風呂でした。ここは、庭木やまわりの樹木もいいのですが、大きな自然石で囲んである湯船に足を伸ばし、石を枕にして頭を空に向けると何とも言えない開放感がありました。

温泉の源泉
 いつもは人気の外湯で人も多いようですが、時間帯の関係からか、たまたま私一人でのんびり、ゆっくり貸切状態で、野鳥の鳴き声もどこからか聴こえてきました。あと、ここ『鴻の湯』は、外観(白い妻壁)がコウノトリが羽を休めているようなデザインとのことでした。

 私は、1回目は時間もあったので翌日、温泉の源泉、ロープウェイ、 城崎町文芸館などを見てまわりました。ロープウェイで登り、山頂の展望台からは、ゆったりのったりと流れている円山川(まるやまかわ)、日本海なども眺められました。

 円山川と城崎と言えば、次の短歌が与謝野晶子によって詠まれていました。この内、上の歌は、『一の湯』の近くに歌碑があったようです。

 日没を円山川に見てもなほ夜明けめきたり城崎のくれば
 但馬なる円山川の水ひろく山をつらねぬ与謝の海ほど
                       与謝野晶子


 あと、2回目4人で城崎に来た時には、ここから少し行った所にある出石町に立ち寄って大阪に帰りました。出石は、城下町の風情が漂っていて、のんびり散策できる所です。もちろん、出石のシンボルにもなっている辰鼓楼(しんころう)も見て、名物の”出石そば”も食べて、蕎麦のお土産も買いました。(掲載日:2005年2月23日)

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