私の温泉紹介
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鹿児島県、指宿温泉 |
都道府県名、地名、温泉地名など | 入湯した旅館名(温泉施設名) |
鹿児島県指宿市 『指宿温泉』 | 砂むし温泉 砂楽(さらく) |
主な泉質、温度など | 注:上野撮影分以外、上記施設の冊子写真から複写 |
砂むしの温度は平均50度か? (内湯源泉は83,1度と思われる) | 補足 |
指宿温泉、砂むし温泉砂楽(海岸線と屋根の下が砂むし温泉、左側が砂楽の建物、撮影日:2020年10月19日) | ||||||||||
このページの写真で私が撮影した写真以外は、先の2冊に掲載してあった写真から複写しています。なぜ、冊子からの写真を複写しているかといいますと、以前は撮影OKだったようですが、残念ながら現在は砂むし温泉のある所は、カメラ持ち込み禁止でした。それで、私が撮れていないということだからです。 指宿の開聞岳、池田湖、温泉は素晴らしい 話しの順序が逆になりましたが、私は指宿市へ今回含めて2回行きました。初回は、今から約40年前、当時の大阪空港の同僚たちと車で、「薩摩富士(さつまふじ)」とも呼ばれている開聞岳(かいもんだけ、924m)も良く見える池田湖周辺へ行ったことがありました。その時も、砂むし温泉の話題が出ていましたが、時間の都合上、行けませんでした。 当時、鹿児島空港で働いていた同僚がいうには、「指宿といえば開聞岳、池田湖、温泉が良い。他にも色々とあるが、とりあえず、この3か所を見ておけば、指宿に行ったことになる」ということでした。そういえば、他県の私でも、その3か所の名前や素晴らしさは、テレビその他で少しは知っていました。ただし、先の2か所は既に見ましたが、温泉だけは入湯しないと実感できないので、その後、頭の片隅でずっと考えてはいました。 そうこうこうしている内に時は、40年間ほど過ぎました。そして、2020年10月18日朝〜20日早朝まで鹿児島市内で所用がありました。そこで、「もう、この年齢になると、なかなか鹿児島までは来れないのでは」との思いもあり、足を伸ばして念願の砂むし温泉を目指しました。特に、入湯の施設は決めていなかったのですが、ホームページで調べてカーナビに入力し、その案内通りに着いたのが、今回紹介中の砂むし温泉 砂楽です。 錦江湾のさざ波を見聞きしながら何も考えず 受付で(専用の浴衣の貸出も含む)入浴料金1,100円と、タオル料金200円を支払い、色々と入湯の順番などについて教えて頂きました。そして、脱衣所で着替えて、順路に沿って海岸へ歩き出しました。屋根のある前の海岸にも繁忙期には、入湯される場合があるようですが、今回は無人で砂浜ばかりでしyた。(最上部の横長写真参照) 屋根の下には、先客数人が並んで一様に頭部には白いタオルを巻いておられました。(下記写真参照) 砂かけさんへ、「始めてなので教えて下さい」と言いますと、「タオルを頭に巻いて、寝ころんで下さい。目安は10分間くらい」と言い、早速、スコップで砂を混ぜながらかけてもらいました。
この間、ただただ何も考えず、たまに見るのは屋根の近くにある柱時計の針だけでした。また、耳に少し聞こえてくるのは、近くの錦江湾(鹿児島湾)のさざ波くらいでした。私は、日常ならば大したしたことでなくても、「あーでもない、こーでもない」と色々考えていますが、この時ばかりは頭の中は、空っぽそのものでした。 改めて、「こんな時間もいいなあ」とか、「これが本当の贅沢(ぜいたく)かなあ」とか、日頃の貧乏生活さえも忘れていました。ここで先に頂いていた「モノクロ版冊子」に掲載されている有名歌人の与謝野晶子さんの歌を紹介します。 来て立つや沙の身すらも極熱(ごくねつ)のおもひを持てる指宿の磯(いぶすきのいそ) 詩とか短歌に無縁・無知の私ですが、上記の歌の、ほんの少しだけ体では実感した感じでした。まだまだ、この心境を味わいたかったのですが、一応15分間経ったので立ち上がることにしました。砂を払いながら、再度海岸を歩き、会館の中にある浴衣返却口に入れて、次は普通の温泉(内湯)でした。 ここでは、体も洗い流し、ゆっくり浸かりました。そして、着替えて、階段を登って行くと屋上展望休憩所がありました。ここでは、冷たい飲み物で喉を潤しながら、錦江湾などの素晴らしい景色を楽しみました。
今回の指宿温泉・沙むし温泉ほどではないかもしれませんが、珍しい方の部類に入ると思われる温泉に少し私も入湯しました。それは、次に紹介しています3つの温泉(「以降「3湯」と表現)は、個人的には印象深く覚えています。 例えば、入湯した足元から乳白色で湧き出ている秋田県の乳頭温泉郷「鶴の湯」の「白湯」、川の中あるいは河原から湧き出ている和歌山県田辺市の川湯温泉(当時の「ホテル山水館」に宿泊)、長崎県、五島の荒川温泉で当時あった「国民宿舎 七岳荘」の源泉井戸は、海岸にありました。 この3湯は、表現が難しいですが「全国どこにでもあるような普通の温泉」よりは、珍しいのかもしれません。しかし、先の3湯も含めて、これら温泉の湧き出ている状況や訳は、素人の私でも何となく分かります。たぶん、どこの温泉も、火山(マグマ)周辺の地熱で熱せられた地下水が温められ、全国各所で湧き出ているのでしょう。 今回紹介の指宿温泉の沙むし温泉も源泉自体は、先の全国の温泉と、ほぼ同じでしょう。ただし、私が疑問や不思議に思ったのは、なぜ海岸沿いの砂が熱いままなのか(「なぜ海水が地下に浸透して冷えていないのか?」)ということです。ここから仮の話しですが、波打ち際の海岸に湧き出ている温泉の温度が、100度あったとします。しかし、いかに高温の温泉であっても、大海原の海水温度(冷たい水温)に勝つ訳がなく、「直ぐ冷えるのでは?」と単純に、そう思っていました。
< カギとなる塩水クサビ 摺ケ浜の後背地の山の手には、90度を超す泉源がいくつもあり、地下に高い熱源があることがわかっている。ここから熱い湯が海岸部に流下し、自然湧出しているというのが定説。内陸部からの地下水だけではなく、鹿児島湾の海水も浸透し、地下で塩水クサビという地下水と海水の境界を作っている。 内陸からの熱水はこのクサビを通過せず、クサビに沿って砂むし場付近に湧き上がってくるというメカニズム。地下水位が上がれば上がるほど、塩水クサビは垂直になり、熱水が勢いよく上昇する。このクサビ説が満潮時に砂浜がより熱くなる事実を裏付けている。> 上記の解説文や図を見ても、素人の私は、当然全部分かったという訳ではありません。しかし、地球のスケールの大きさや、海岸沿いに湧き出る沙むし温泉の珍しさと恩恵だけは、改めて感じました。 (初回掲載日:2020年12月28日、第二次掲載日:2021年1月18日、第三次掲載日:2月1日) |