はじめに

　私が旅行好きになったのはあまり長くなく、３０歳を越してからでした。航空の大先輩の方が「定年までに全国の空港を全部見てまわる」との話しを聞き、「あっ、そうか、趣味でも何か目標があればいいのだろうな」と考えていました。

　元々温泉大好き人間でしたから、九州を中心に同僚達とブラブラはしていたのですが、他の者は皆家族旅行に変わり、段々と一人だけになりました。まず、最初の目標として大阪空港に発着している路線のある空港からと思い、毎年一つずつ片付け最近の新規路線以外はほぼ行くことができました。また、４９都道府県全部行こうと思い、あと５県（９４年１月現在）となりました。

　そのような中で７年前の８６年２月にパリ、ローマ、ロンドンの３空港調査のお話しがあり、始めての１２日間の海外旅行となりました。この時私は３空港について約１００ページの報告書を書きました。その時、ただ写真やビデオだけの記録ではなく、「見て、聞いて、食べたまま」風の旅行記を書こうと思い立ちました。

　この旅行記は１シリーズ（約10ページ）ごとお世話になっている方に読んでもらって６シリーズ（合計60枚）までできました。　しかし、残り４日分がまだ手付かずになっています。いずれ書こうとは思っていますが、その作成ができぬまま、今回９３年１０月に、また、海外旅行のチャンスがありました。

　今回のスイス・パリ旅行はエールフランス航空の知人から誘いがありました。この弁護士さんたちのグループの主目的はジュネーブの国連に行くことでした。ただ、私は英語ができないので会議やロビー活動も出来ず、ただ、傍聴だけで、どちらかと言うと良くて「かばん持ち」、本音は「物見遊山」でした。

　だから、この旅行記も観光や見学したことばかり書いています。最初から、旅行記も後日書こうと思っていましたから、その準備もして行きました。

　今度は前回の反省を踏まえ、一気に書き上げようと思い、手帳に１日、１時間、３０分単位で概略の記録を付け、それをもとに帰国後コンピューターで仕上げ、これだけで１５ページになりました。この概略日程からさらに文章化したのがこの『スイス、パリ旅行記』です。

　全く文章素人が書いていますので、ワンパターン、退屈、面白くない等とのご指摘は当然だと思っています。しかし、素人でないと気がつかない何かもこの「見て、聞いて、食べたまま」風の旅行記にはあるかもしれません。

　また、失敗も多く書いてますので、「他人の失敗例は自分の旅行成功のヒント」とも言え、少しはお役に立つかもしれません。この『旅行記』をご一読して頂き、「ここがだめだ、こう変えた方がいい」等との率直なご指摘や叱咤・激励を賜われば書いた方としても救われます。

　なお、いつも文章は丁寧文で書いてますが、今回本文は強調文で作成しました。よろしくお願いします。（1994年1月1日記す）