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9)鏡と洗面器  日本、有田焼、(株)親和・伯父山(絵夢)

見学女性に人気

 私は、1997年に長年の計画だったログハウスを建てました。屋内外の設備は、そのほとんどが、棟梁さんはじめ各業者の方の薦められる物を使用しました。ただ、その中で、探しまわったのが、洗面器と鏡です。丸太自体が全部男性的・野性的に見えるので、たった一つでもおしゃれ心も出したい、ログハウスに合うものを、毎日使う物だから、飽きのこない物をと思っていました。
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 しかし、ログハウスに合う洗面器は、簡単にみつかりませんでした。最初に行った有田焼のある社長さんから「洗面器は、ほとんどが注文形式で、私の方では、このような物を衛生陶器と呼んでいるが、有田の多い窯元でも数軒しか焼いていないのでは。価格は相談に乗ります」と言うことでした。パンフレットの値段は、洗面器だけで70万円、柄は中華風の極彩色でした。「とても手が出ない」「色柄もログハウスに似合わないなあ」と思いました。それから、ずっと洗面器探しに回数を重ねました。

 結果、たどり着いたのが、有田の市街地よりかなり離れた所にある(株)親和・伯父山(絵夢)さんの窯元でした。直接見た洗面器の中には、パンフレットに掲載されていないデザインもあり、その中で白地にツタの緑や赤い実をあしらったのがありました。私の洗面所は、まわり木ばかりで、厚さ7センチある中国杉の天井板をくりぬいて、その穴に洗面器をはめ込むことを考えていました。完成したイメージから、このツタ柄のデザインは、ぴったりくる物でした。

 1997年10月、値段折衝になり、「洗面器、鏡、トイレ手洗い鉢をまとめて三つ買います」と言うと、定価(当時、三つで127万円)の半額付近でまとまりました。ただし、焼くのには時間がかかる(大きいからうまく焼けたと思っても、排水パイプやオーバーフローラインにひびが入りやすいとのことで、焼き直しが数回必要なこともある)と言うことでした。家の建設日程が迫ってきている関係上から、焼く日数がかかるのであれば、洗面器は、展示会で出された物を購入しました。

 「鏡は、端にカットを入れた方がデザイン的にも高級感からも良い」との社長さんの指摘から、これは新たに焼いてもらうことになりました。鏡のデザインは洗面器と使用場所が同じなので、洗面器と同じツタ柄を依頼しました。ツタ柄とは違いますが、トイレ手洗い鉢(アザミの柄)も同時に購入しました。

 三つともそろったので、内装完成間近の1997年12月、大工さんが天井板をくりぬき洗面器と手洗鉢をはめ、次に鏡をとりつけると完成しました。口々に、「ワーいいなあ」との歓声が上がり、その後の見学者の中からも、特に女性から同様の感想を聞きました。

 毎日歯磨き粉が落ちる洗面器は、汚れがきつくなります。しかし、この白地の洗面器は、汚れが目立ちませんし、汚れても洗剤で洗えば、さっと流れます。手入れが本当に簡単です。鏡は、洗面器と同じデザインなので、一体感と落ち着きがあります。探す労力とお金もかかりましたが、屋内設備の中で一番満足している一つです。(記:2001年6月4日)

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