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聞いた言葉・第102回目、『生涯現役』

 

生涯現役

 
今回のこの言葉は、私にとって「憧れ」でもあります。あまりにも有名な言葉なので補足説明は要しないかとは思いますが、元々の語源は軍隊用語からきているようです。国語辞典の大辞泉を参照すると「現役(げんえき)=旧日本陸海軍の常備兵役のー。所属部隊に入り、軍務に従っていること。また、その将校や兵士。→予備役 →後備役」と書いてあります。この言葉から転じて、生涯現役とは、「この世に生きている間、ずっと働き続ける」ということです。

 私のまわりでは、70歳どころか80歳、90歳でも農業、植木剪定、除草・草刈り、大工仕事、毛筆の代書作業その他でご活躍されている方々を直接知っていたり、お名前までは知らなくても色々作業しておられるところを見たこともあります。

 皆様、本当にお元気で生き生きと、たまには大村弁で「(手入れしている作物の)実ば付けるとが先か、オイのお迎えが先か分からんとばってんが、毎日畑に出とっとですたい」(この大村弁の意味は「作物の実を付けるのが早いか、自分の亡くなるのが先になるのか分からないけど、毎日畑に出て農業している」)と、大きな声で冗談まで私に言っておられます。

 ほかにもシルバー人材センターに登録されておられる方もいらっしゃって、お客様から注文があれば、その丁寧な仕事ぶりや力量を発揮されて、「また、お願いしますね」と声掛けられて喜ばれたとおっしゃっておられる方もいました。

 元々、学校を卒業されそのままずっとその仕事を続けておられる方もいらっしゃっれば、途中で趣味か何かで覚えられ定年退職後、その道に入られた方など様々だと思います。人は誰でも出来れば病院や自宅で寝たきりになるよりは、最後のさいごまで体を動かし何かをしたいと思っておられる方ばかりだと思います。

 私も既にこの『聞いた言葉』シリーズの「昨日今日とは思はざりしを」に書いていますが、こんな形で一生の最後を迎えたいものです。そのためにも、まずは体が丈夫、それに何か手に技術を付けて、ずっと出来たらいいなあとは思ってはいるのですが。

 「はたらく(働く)」とは、「はたを楽にさせる」と言う意味もあるようです。まあ自分の力量ではそこまでは出来なくても、何か目標なり計画などを持って、ずっと出来ることがあればそれに越したことはないのではないかとも思っています。何十年後かに、先にご紹介したようなご年配の方みたいに、冗談言えるようになればいいでしょうね。

(記:2008年6月12日)

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