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聞いた言葉・第90回目、『老いることは怖くないが、目的をなくすことが怖い』

 

老いることは怖くないが、目的をなくすことが怖い

 この言葉は、木原光知子(本名:木原美知子)さんの言葉です。私は、たまたまテレビで「木原光知子さんが(2007年)10月18日午前1時25分に、くも膜下出血のため死去された」との報道を耳にしました。同時に画面の文字表示やアナウンサーの言葉でも、今回の言葉が紹介されていたので、慌ててメモしていました。

 木原光知子さんと言えば水泳選手の頃、多くの競技(1964年の東京オリンピックなど)に出場され活躍されたのを私自身も記憶しています。その後、競技者としては引退された後タレントとしてもテレビその他で、けっこう色々な番組で登場されていました。また、特に水泳指導を熱心におこなっておられ、水泳の普及・発展にも貢献されているなあと思っていました。

 私とあまり変わらない世代なので、「わー、ますます、お元気だなあ。自分は出来ないかもしれないが、あんな感じで、ずっと歳を取れたらなあ」などと思ったこともありました。そのような状況を見ていた時もありましたので、突然の訃報は「えっ、まさか」と言う感じでした。

 同時に今回の言葉紹介の時にアナウンサーから「生前けっこう色々な時に、このことばは言っておられた」と聞くと、「なるほどなあ、そうだったのかあ」とも思いました。現役時代には百分の1秒までもあらそうような競技に出場され、その後も様々な計画や目標を実行されてきた方でしょうから、何か重みとか実感をともなっている言葉だなあとも感じました。

 人は誰でも、たとえ体力的には「私は20代、30代だ」と自慢できる方でも確実に”老い”は重ねてきます。それをいつの時点で明確に自覚する、しないは別としても、たまには「何か若い頃と違うなあ」と感じる事柄はあるかと思います。

 特に、それなりの年齢になって日常の仕事や生活に追われたり、あるいは定年退職後、それ以前よりは時間的余裕が出来たとしても、何か目標や計画(たとえ最終的には未達成になったとしても)を持ち続けることは、生活に張り合いが出てきて、そこに向けての努力もするのかなあと考えます。

 それは仕事や高尚な事柄でなくても、たとえ遊びや趣味の世界でも、自分にあった考えであればいいのかなあとも思います。私自身も、ここに書くのは恥ずかしいようなものですが、以前「47都道府県、全部まわるぞ」とか思いながら毎年どこかに行って、何とか達成しました。その当時も現在も貧乏人には変わりないですが、不思議と、そのような旅行費用は何とか捻出するものです。

 木原さんがおっしゃっておられる通り、誰も歳は取るものだと開き直って、それよりも何かささやかでも楽しい目的や計画を立てて、できる範囲内で自己満足しながら、たまには自慢話しながら達成できればいいなあと考えています。


(記:2007年12月6日)

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