「雨の降る夜は・・・」で始まる柳ヶ瀬ブルースは、１９９６（昭和４１）年頃の大ヒット曲です。この曲発祥の地は、当然、岐阜市柳ヶ瀬（歌の記念碑もあります）です。この曲がヒット当時私は、中学生で柳ヶ瀬がどこにあるのか、どんな所かも全く知りませんでした。まあ、中学生の頃から、居酒屋や飲み屋街を知っていたら、とんでもないこと（笑い）ですが。

　ただ、この年代で聴いた歌は、ずっと頭のどこかに残るもので、どんな所かなあと、ボンヤリ思っていました。先輩たちと１９９１年７月１１日から上高地、西穂高、奥飛騨温泉郷などをまわった後、一人で７月１４日岐阜市に行きました。

　目的は、例によってただ一つ（笑い）、オープンして１年もたっていない『岐阜ケントス』でした。１９９１年７月１４日奥飛騨温泉郷で先輩たちと別れ、信州のスキーツアーなどの帰り数回立ち寄ったことのある飛騨高山でゆっくりし、夕方に岐阜駅前のグランパレホテルに入りました。

　いつものようにホテルマンから、地図や居酒屋情報を仕入れ、まずは柳ヶ瀬の町をブラブラすることにしました。私が思っていたイメージよりは、アーケード街なんだなあと言う印象が残りました。その中で、神田ずしと言う店が開いていたので入りました。

　脇道にそれますが、なぜ、寿司屋に入ったのか、その動機は、前日までの旅館の食事にあります。上高地の温泉旅館や奥飛騨の宿では、どちらかと言うと、山の幸（中には、蜂の甘露煮もあり、珍しかったです）が、多かったから、魚を食べたいと言う単純な思いつきからでした。

　夜９時前には新しい岐阜メルサグルメ館に着き、その７階に岐阜ケントスはありました。このビルは、その名の通り、和食、中華、洋食と大抵の料理がここにくれば揃うのかなあと思えるような建物でした。

　入口で店長に「このプレゼントカード使えますかね」と尋ねると、「えー、どうぞどうぞ」と席まで案内されました。いつものようにボトルカードの用紙を書き終わり、店内を見渡すとやはり、何もかも新しい内装だなあと感じました。後でステージに登場されたバンドの方も若い方が多かったようでした。

　ここの店では、私は、おとなしく（笑い）して、２ステージ聴いた後、１１時前には外の風に当っていました。ボトル１本入れて、少々飲んだので、酔い覚ましに、また、柳ヶ瀬の商店街をブラブラ歩き、ホテルの部屋ではバタンキューの状態で寝てしまいました。

　冒頭書いた通り、この町は私にとってあまりにも柳ヶ瀬ブルースの歌のイメージが強く、そのような中、新しい感じにも思えるオールディーズ（ケントス）のライブハウス誕生はその後も期待していました。しかし、残念ながら、１９９８年頃に閉店されたようです。
（記：２００２年３月１８日）