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福田さんの写真館

平和な日本で夢をみる〜私の中東・パレスチナ (その5)
パレスチナの子供たち
平和な日本で夢をみる
 日本へ帰国してからパレスチナで見た戦場の日常風景が夢に出てきては目を覚ますことがある。

 息子を亡くし嘆き悲しむ母親、目の前で銃弾に倒れる青年、脅える子ども、威嚇する戦車、ジェット機の轟音、耳をつんざく銃声、そして恐怖した自分。

 どれもが身をもって経験した現実だった。イスラエル、パレスチナの双方に多くの友人ができた。彼らと話していて宗教など関係なく一人の人間として向き合うことができた。

 双方の間に立ってみて、確かにお互い憎しみ合っていることが伺える。だがそのような中でも「本当は仲良くしたい」という言葉を双方から聞くことも出来た。

 銃を向ける兵士も向けられる住民も戦争犠牲者に見えてきた。

 日本は戦後の復興から高度成長と向かい、知識を蓄積し働き働き経済大国となり豊かさを覚えた。これはまさしく勝利にほかならない。しかしそこには敗者がいる。その敗者が今日のイラクであり、パレスチナであるような気がする。日本はイラク戦争を支持した結果、戦争当事国であることは間違いない。

 国益のため、僕たち日本人の豊かさを維持するための手段であったと思う。そういう意味で僕たち国民は加害者なのだ。この豊かさとは逆に、その犠牲になる国や人々が居ることを忘れてはいけない。反戦を思うことと同じように、僕たちは今日の生活スタイルを再考すべきである。これが三ヶ月間の旅を振り返りたどり着いた今の答えだ。

 壊れたコンパクトカメラは持ち帰った。七八〇〇円で修理した。

 出会った人々を夢にみつつ、再会するための準備を進めている。

<注:『平和な日本で夢をみる〜私の中東・パレスチナ』のページは、このページで終了です>
(掲載日:2005年11月23日、文責:福田雅宏さん)


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