福田さんの写真館
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日本へ帰国してからパレスチナで見た戦場の日常風景が夢に出てきては目を覚ますことがある。 息子を亡くし嘆き悲しむ母親、目の前で銃弾に倒れる青年、脅える子ども、威嚇する戦車、ジェット機の轟音、耳をつんざく銃声、そして恐怖した自分。 どれもが身をもって経験した現実だった。イスラエル、パレスチナの双方に多くの友人ができた。彼らと話していて宗教など関係なく一人の人間として向き合うことができた。 双方の間に立ってみて、確かにお互い憎しみ合っていることが伺える。だがそのような中でも「本当は仲良くしたい」という言葉を双方から聞くことも出来た。 銃を向ける兵士も向けられる住民も戦争犠牲者に見えてきた。 日本は戦後の復興から高度成長と向かい、知識を蓄積し働き働き経済大国となり豊かさを覚えた。これはまさしく勝利にほかならない。しかしそこには敗者がいる。その敗者が今日のイラクであり、パレスチナであるような気がする。日本はイラク戦争を支持した結果、戦争当事国であることは間違いない。 壊れたコンパクトカメラは持ち帰った。七八〇〇円で修理した。 出会った人々を夢にみつつ、再会するための準備を進めている。 |