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6)木は軽い割に、頑丈で長持ち

 木は、一般にコンクリートより、強度が弱く、雨などで腐りやすく、耐久性も弱いと思われがちです。果たして、そうでしょうか。 結論から先に言えば、ログハウス(木造住宅)は、メンテナンスしだいで100年以上も持つと言われています。そのためには、外部塗装、コーキング、雨によく当たる板材で腐りかけの交換、トイレや風呂の水まわりの修理は、当然20数年単位で必要になってきます。

 メンテナンスや修理などは、面倒くさく、お金もかかりますから、誰でも嫌がります。かく言う私もそうです。現代、大きい物は建造物から小さい物は腕時計至るまで、「メンテナンス不用論」があります。昔の人は「形ある物必ず壊れる、なくなる」と言う考え方でした。国宝奈良法隆寺五重の塔は、2千年の悠久の年月を経て、今なお平然と建っています。

 この間には、地震も、大雨も、風雪もあったでしょう。しかし、その都度、宮大工さん始め多くの方が、修理・修繕を繰り返し、木造建築では、世界に例をみないような完璧な形で現存しています。 繰り返しになりますが、法隆寺五重の塔の例を出すまでもなく、ログハウス(木造住宅)は、コンクリート住宅に比べても、メンテナンスさえ建築後しっかりやれば、何世代にわたって使える家です。

 一般に軽く100年以上持つと言われていたコンクリートの問題では、99年に大事件が続発しました。6月27日山陽新幹線・福岡トンネル、10月9日同じく北九州トンネルのコンクリート魂の落下事故です。たまたま、不幸中の幸いで、犠牲者は出ませんでした。

 しかし、300キロで走る新幹線に直撃、そのはずみでトンネルか何かに激突していたらと、想像すれば空恐ろしい結果になるでしょう。また、コンクリート問題では、新幹線だけでなく、マンションを始め住宅の問題としてもクローズアップしました。 これらの原因として、海砂使用、不法加水、手抜き工事、管理不足、その他安全や耐久度より、儲け優先の考えもあったと思われます。

 ある種「コンクリートは頑丈」と言う風評の崩壊です。ただし、ちゃんと、基準通りのコンクリート工法ですれば、今からでも100年耐えうることは、今でも言うに及びません。

 私が言いたいのは、そのコンクリートより、一般に木の方が弱いと言う風評があるのが残念だと言うことです。木は、異なった種類の材料の強度的性質を比較する値の比強度(材料の強さ/比重)は、一般的に引張強さで鉄の4倍、圧縮強さでコンクリートの約9倍半と言われています。

 これらのことは、木は総て(正常に基準通りの工法で作られた)コンクリートより弱いのではなくて、むしろ軽い割に頑丈だと言うことです。「柔よく、剛を制す」と言うことでしょうか。その意味からしても、「木の方が弱いと言う風評」から脱皮して、耐久度や強さの面からも、今一度、木を見直す必要があるのではないでしょうか.

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