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4)洋包丁    日本、グレステン

切れ味、切れ離れ抜群

 この『グレステン』の包丁を知ったのは、料理番組「料理の鉄人」で、(正確に確かめた訳ではありませんが)フレンチ坂井シェフの包丁を見てからです。テレビに登場する坂井シェフの洋包丁には、刃全体に卵型をしたくぼみが施してありました。このグレステン包丁の製造元は、新潟県十日市のホンマ科学株式会社です。

 この卵型のくぼみある包丁は、難波・道具屋筋(料理器具など、ありとあらゆる器具ばかり、数百メートルにわたって、陳列・販売されている通り)の数ある店でも、グレステンの包丁のみの特徴でした。また、大阪・池田市のシェフもこの包丁を何本か所有し、材料に合わせ、使い分けて使っているのを毎回見ました。この卵型のくぼみは、肉などを切った時に空気が入ることによって、切れ離れが良く、さくさく切れます。
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 日頃の手入れも簡単で、使用後は台所用洗剤で洗い、水を流し、乾いたタオルで良くふき、後は、包丁立てにさすだけです。長期間使用し、少し切れ味が気になってきたら、包丁シャープナーでシャッシャと表裏5から6回くらい当てるだけで切れ味は、回復します。普通は、これだけで充分で、砥石で研ぐようなことは、ほとんど不要だと言えます。

 私は、グレステン包丁を4種類持っています。それは、刃先約30cmの牛刀、約25cmの魚用、約17cmの野菜、約15cmのぺティーナイフです。長さも形もそれぞれ違いますが、いずれもが、卵形のくぼみがあり、刃の品質も同じです。4本まとめての購入(当時)価格は、約6万5千円でした。

 一般の家庭では、包丁と言ってもせいぜい数本の種類と思われます。これでも、肉や野菜を切ったり、魚をおろしたりできると思います。しかし、包丁の種類別に合わせて、それぞれの材料を切った方が、その包丁の持ち味を十二分に発揮できます。そのことは、料理そのものをさらに引き立て、完成度の高い味を作るものとなるでしょう。

 私は、料理に、こうでなければなどの意見はもっていませんし、料理そのものも下手です。しかし、肉を切った直ぐ後に、魚を切るとか、逆に魚を切った後にトマトを切った場合など、結果は明らかです。1本の同じ包丁より、食材に合わせた適材適所の包丁を使い分けた方が、結局は便利で、仕上がりも好評だと思われます。私は、このグレステン包丁4本以外にも、あと6本あり、その時その材料に合わせて適当に使い分けていますので、あまり考えないで使えるのも利点だと思えます。

 刃物こぼれ話し。刃物は、古今東西の昔から、その国や民族の進歩(石器、銅器、鉄器など)の象徴的な物でした。日本においても同じで、武士の魂=日本刀にいたるまで、ある種、単純に物を切ると言うだけでなく、ひとつの権威的象徴みたいに扱われた歴史もあります。殿様が戦功を上げた部下に刀を下げ渡すことは、その典型と思われます。(記:2001年5月21日)

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