26)畳 日本、熊本県水俣市、一期先畳店、無農薬畳
私は、モデルハウスなどの新築の家に行って、大きな間違いや勘違いを以前していました。それは、部屋に入ったとたん、あの鼻にさすような臭いを新築の香りだと思っていたのです。
その後、大学の先生や大工さんなどから話しを聞くと、あの新築の臭いは、接着材や農薬から出たものと、分りました。それも、アトピー、気管支喘息、花粉症など住源病(シックハウス)の原因であることも。それが、分った以上、私のログハウスには、屋根の防水シートと断熱材以外は、接着剤や農薬の使用されていない自然素材で建てようと思いました。
普通の畳には、田畑で散布されている農薬の20倍から30倍が使用されていると聞きました。なぜなら、畳の材料になる稲藁やい草さには、ダニなどが付きやすく、そのため、その防除のため多くの農薬が使用されているのです。
1997年秋も深まった頃、順調に内装工事も進み、また、家の完成祝いの日取りも決まりかけた時期、私は畳をどうするか、かなり考えていました。この終盤の頃には、ほとんど予算に余裕がなく、さらには内装の継続、完成祝い、引越し、年末年始と、何かと忙しい時期でもありました。その時、建築士の義兄から、熊本県水俣市に無農薬畳が製造されている情報が、私にもたらされました。
値段は、普通の畳の倍近いするものの、今まで私自身、自然素材にこだわり、白蟻駆除の農薬も使わずにきたのに「畳だけは農薬入り」というのでは、何かわだかまりがありました。お金は気になりましたが発注をお願いしました。
早速、12月始めに一期先畳店(熊本県水俣市)の親子さんが、計測に来られ、完成祝い前日の12月19日に納品されました。私は、計測の時も、納品の時も立会いました。計測は、実に微に入り細に入り、計られ、納品時もぴったりとはめ込まれました。遠距離からこられた一期先畳店のご家族に感謝しましたし、この畳を選んで良かったと、最初から思っていました。
この無農薬畳は、ほのかなイ草の香りはするものの、あの農薬入り特有の鼻を刺す匂いはありませんでした。また、畳に座ると、普通の畳に比べ柔らかく、最初から足に負担が少なかったです。(記:2001年7月25日)
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