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大工さん手作りは「小錦が載っても大丈夫」
普通、内装品や内設備は市販の物が多いのですが、今回数多く、大工さんに作って頂きました。その理由は私がいつもことあるごとに大工さんと「新建材で作った物は体に悪い」と言い続けたことを聞いておられたからだと思います。
下駄箱、飯台、テーブル、キッチン・洗面・トイレのカウンターなどは厚さ6cm程の分厚い中国杉が使われています。また、この杉板は床の間や玄関の敷段にも赤松と一緒に張られています。
飯台やテーブルは中に入れるのに、4人がかりでも一苦労で、「これだったら小錦が載っても大丈夫」には爆笑でした。この大工さん手作りの物には水と汚れ対策のため全てシッケンズの塗装を3〜5回塗りました。さらに中国杉の光沢が増して、見学に来られた方の中には天板をさわって「スルスルするね」と言いながら帰られます。
台所のガスレンジフードも金属むき出しではログに合わないと言うことで板を張ってもらいました。同様に電気のサーキットブレーカー箱や外の基礎に付いている地下埋設ケーブルの中間点検箱もして頂きました。
郵便受けは「ハーフ丸太で、新聞がスッと入る位の大きい物を」とお願いすると箱の幅65cm、奥行70cm、高さ35cmの物を作られました。完成すると誰か「まるで鳩小屋やな。鳥がいい巣を作ってくれたと言って来るぞ」には笑いが出ていました。これも一人では持ちにくい程で、玄関脇に設置する時には雨が入りにくい向きを考え、棟梁さんと二人がかりで置きました。
私は完成までこの約4ヵ月、「丁寧で誠実な大工さんばかりに恵まれたな〜」と、いつも思っていました。さらに驚いたことを棟梁さんはして下さいました。それは玄関ホールのハーフ丸太張りです。最初、玄関入って左は15段の丸太ですが、右は杉の平板にしようと言う構想でした。水まわりの外板に張っていたハーフ丸太が数本余り、これを少し壁に張ろうとし、1/3位出来ました。残りは普通の平板を張る予定でした。
しかし、左の丸太壁とバランスが合わないためか「このままでは後悔する」とおっしゃって、契約にはなかったのですが自腹切って発注されました。ハーフ丸太は板材として決して安い物ではありませんし、棟梁さん自らそのような言葉を聞くとは思いもせず、さらに頭の下がる思いがしました。今見てもやはり左右のバランス上も、光沢のあるハーフ丸太で断然良かったなあと思っています。(記:1998年3月)
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