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エコノミー・コンフォートゾーンと液晶テレビ

2013年12月21日
(日本時間)
 福岡空港を離陸したKLMオランダ航空・KL0870便は、さらに上昇を続け、座席前の液晶テレビの飛行経路表示では日本海に入って段々と日本本土からも遠ざかっているようでした。また、シートベルト着用サインも消えて、客席からはひっきりなしにトイレに立つ人も続いていました。私の方も、やれやれという感じで、機内持ち込みのデイパックから手帳、iPadなどを持ち出し、時間つぶしに色々とメモすることにしました。

 このページ、飛行中の時間経過から離れてキャビン(客室)のことについて、少し書いていきます。ただし、あくまでも今まで私の見た聞いた範囲内で、しかも専門的な内容ではなく、一般的な説明や紹介文ですので、その点はご了承願います。

エコノミー・コンフォートゾーン
 まずは、航空各社によって座席のクラス(例えばファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラスなど)は、当然マチマチでしょうし、その呼び方も各社とも違っているでしょう。ここでは、私たちが座ったKLMオランダ航空のエコノミー・コンフォートについて、少し書きます。先に簡単に書きますと、このクラスは、通常のエコノミークラスより座席前後間隔が少し広いクラスです。当然、料金もプラスアルファです。

(中央部の左右側と真ん中に白く見える)エコノミー・コンフォート・ゾーンの仕切り板

 KLMのサイトを参考にしますと、私たちが乗ったボーイング777-200ER機の場合、通常のエコノミークラスの平均座席間隔は、 31インチ(79cm)で、 エコノミー・コンフォートゾーンの場合は(平均で)35インチ (89cm)です。つまり、シートの前後間隔で4インチ=約10cm広いということです。なぜ、インチ刻みかと言いますと、客席(シート)を床に固定しているシートレール穴の刻みが、インチサイズ(1インチ=2.54cm)のピッチだからと思います。

  ここで全くの蛇足と脇道ですが、ジェット旅客機含む航空機は(極簡単に言えば)アメリカで発達し、その多くが今でもアメリカ製造の機体が多いです。そのため、現在も例えば長さはインチ、重さはポンドなどばかりで、メートル単位で育った者にとって本当に悩まされます。(ついでに客室温度は華氏表示もあります。ご参考までに華氏70度が摂氏約20度です)

  私の個人的な意見ながら、メートルが国際単位ですから、アメリカは何年かかってもいいから、さらには新機種からでもいいのでメートル表示一本に変えるべきだと思います。このような基本的な、初歩的なことができないようでは、「アメリカはダブル・スタンダード(二重基準)だ」と言われても仕方ないでしょう。アメリカ合衆国も1世紀以上も前から、メートル条約加盟国のようです。

 見習ってくれとまで言いませんが、日本の尺貫法はアメリカの国より何倍もの長い歴史がありますが、それを国際基準に統一した経過もあります。あと、念のためオリンピックや世界大会での100m競争でアメリカの選手が、金メダルをとった場合にはアメリカ本国でも「・・・・・・選手が約3937インチ競争で優勝しました」などとの報道はされていないようです。

 話しは戻りますが、私は客席に座った時点では気がつかなかったのですが、後でトイレついでに後方客室の探索でウロウロして前方へ戻る時に分かったことがありました。それは、右上側写真でお分かりの通り、天井からぶら下がっているようにも見える白い板が左右と真ん中に合計3ヶ所あります。これが、どうも通常のエコノミークラスと分ける仕切り板のようでした。つまり、この板より前が、エコノミー・コンフォート・ゾーンになるようです。また、シート背もたれ上部のヘッドレストカバーも色違いでした。(カバーの白色が通常のエコノミー席、薄いオレンジ色がコンフォートゾーン)

 私は、これまでエコノミーだけでなく一応ビジネスクラスでの搭乗も5回(路線)ありました。当然、客席自体も食事や各種サービスも違うのは、歴然としています。ただ、二つのクラスとも欲を言えば、座席は通路側がいいなあと思います。今回、その通路側が空いていたので、移ったのは言うまでもありません。何かの理由で移動された方やKLMには、感謝感謝でした。

液晶テレビの表示する飛行経路や各種情報など
 この件、先に古い話をして恐縮ですが、私が初の海外旅行をした1986年当時(詳細は「ヨーロッパ3空港調査旅行記」参照)は、機内でプロジェクターとスクリーン映写の方式だったと思います。例えば映画上映の時間になると客室乗務員による機内アナウンス後に、各ゾーンごとのスクリーンで乗客は同じ映画を見ていたと言っても現在ならば誰も信じてももらえないでしょうね。

(左端側が)液晶テレビ(各座席にも小さいモニター画面が付いている。画面は主に九州の地図を表示している)

 それから、海外旅行の回数を重ねるごとに、例えば各ゾーンごとにスクリーン映写からブラウン管テレビになったとか、、あるいはブラウン管から液晶テレビにかわったとか、ビジネスクラスなどにあった各座席ごとの液晶テレビがエコノミークラスにも全席なったとか、本当に良くなってきたと言えます。当然、自分が見たい映画、その他の選択も自由です。先に書きました何十年か前のことは、隔絶の感がします。(液晶テレビは、右下側写真の左端にあるものと、各座席に小さい液晶モニターがあります)

 その中でも今回、主に取り上げるのは、このシステムの正式名称を私は知らないのですが、液晶テレビで飛行中のルート、現在の位置、(対地)スピードなどを、様々な表示形式で伝えている内容です。この表示には、他にも飛行中の高度、外気温、到着予定空港までの残りの飛行距離と飛行時間、到着予定(現地)時刻などもあります。さらに世界地図の表示では、どこの地域が今、昼間か夜間区域なのかの差も明るさの濃淡をつけて表示していました。

 一目瞭然とは、このことで何十年も前だったら運航乗務員の方しか知らないことまで客席にいながらにして、飛行中の情報を液晶テレビで確認できるものです。この表示形式は、ずっと以前からあり、私自身も既に1993年のスイスへの旅行中(詳細は「スイス・パリ旅行記」参照)から良く見ていましたので、もっと早くからあったのでしょう。

 あと、日本ーヨーロッパ線といえば、なかなかの長大路線です。その13時間位にも及ぶ長いフライト中、「今、どこの上空を飛んでいるのか」とか、「あと到着まで何時間かかる」などの情報が直ぐに分かるのは、ある意味で安心感もあります。どのようなシステムになっているのか、私は知りません。ただ、自分勝手に想像するならば、表示されている情報は刻々と変わっていることから、例えば位置や時刻などは衛星利用(GPS)からではないでしょうか。

 また、スピード、高度、外気温などは、もしかしたら操縦室にある各種計器と連動しているのかもしれません。世界地図や飛行ルートなどは、あらかじめ描いてあるものにGPS情報をもとに刻々と変わる位置や時間に合わせて改めていっているような推測をしました。専門知識もないのに、このような想像や推測ばかり書いていて、結果間違っているかもしれませんので、今後勉強したいと思っています。

液晶テレビ表示情報の概要
(参考資料)

(この項目は2015年2月16日に追加掲載)  上記項目にも既に紹介中で、また、帰りの12月27日出発便で「機内の液晶モニターと福岡空港到着」のページにも二つの表を掲載中のことがあります。それは、液晶テレビに表示される情報についてです。先のリンク先ページにも書いていますが、この液晶テレ表示情報は、航空会社ごと違うのか、どうかも私は知りません。ただし、日本航空(JAL)サイトの「航空豆知識 第56回」ページには、PFIS:パッセンジャー・フライト・インフォメーション・システム)の用語があります。下記二つの表に、私がメモした範囲内で、その情報をまとめています。

 KLMオランダ航空・KL0870便は、この日のダイヤ(通常運航)上の出発時刻は、(日本時間の)11時05分、到着は(オランダ時間の)15時25分で、所要時間は12時間20分した。しかし、福岡空港での天候不良や混雑などで、約1.5時間も出発が遅れ離陸は(日本時間の)12時44分でした。

 あと、この日本時間(私の腕時計表示)は、ロシアのウラル山脈上空まで続けました。そして、そのウラル山脈上空付近で、オランダ時間に切り替えました。ただし、先の液晶モニターでは、その表示時点の現在時間が正確に表してあったはずです。(念のため、下表の左端欄は、あくまでも「私の腕時計の表示時間」です)

 また、下表は、全部の項目をメモできず、未記入もあります。(当然、寝ている時間帯はメモさえもしていません) さらに、今考え直してみますと残りの飛行距離(km単位)と、飛行高度(m単位)とが、ごっちゃにメモ書きしていて、どちらが正しい数値なのか一部違ってもいるような気もします。そのようなこともあり、下表二つは、ご参考程度の閲覧をお願いします。

私の腕時計時間
現在地(・・・の上空)
残飛行距離
残飛行時間
速度
高度
外気温
(備考)
13時50分
福岡空港から離陸上昇中
9117km
・・時間・分
872km
-
-
日本時間
14時55分
日本海
7852km
9時間40分
846km
10,363m
-52℃

水平飛行へ

15時15分
-
7420km
9時間05分
807km
10,363m
60℃
-
16時30分
バイカル湖西方向
7074km
7時間53分
883km
10,363m
64℃
飛行中の最低気温
17時00分
アルダンの西方向
6052km
7時間25分
872km
10,363m
-
-

 帰りの便について「機内の液晶モニターと福岡空港到着」ページに掲載中の二つの表と、このページの上・下二つの表を見比べてもらえれば分かりますが、飛行速度(対地スピード)は、行きの方(KL0870便)が全体的に風の影響を受けるためか遅いようです。また、飛行高度は、往復便とも大きくは変わらないようです。両便とも、燃料効率、最短時間などを考慮されて飛行されたのでしょう。

私の腕時計時間
現在地(・・・の上空)
残飛行距離
残飛行時間
速度
高度
外気温
(備考)
09時05分
プトラナ
5448km
7時間10分
900km
10.363m
57℃
オランダ時間へ
10時05分
ノリスクの南方向
5030km
6時間16分
872km
10,363m
61℃

-

11時10分
ノリスクの西方向
4031km
5時間6分
900km
10,363m
-56℃
飛行中の最高速度
11時40分
ヴォルクタ(ウラル山脈最北部)
3666km
4時間41分
870km
10,363m
-57℃
-
12時10分
ウラル山脈中央部の西方向
3205km
4時間8分
849km
10,972m
-
飛行高度上昇
13時05分
アルハンゲリスク
2448km
3時間9分
888km
11,125m
-56℃
-
13時40分
ヘルシンキの東方向
1966km
2時間38分
883km
11,582m
-
-
14時10分
ヘルシンキの西方向
1539km
2時間7分
820km
11,582m
60℃
-
14時40分
ストックホルムの西方向
1074km
1時間35分
755km
11,582m
-
-
14時55分
コペンハーゲンの北方向
766km
1時間9分
772km
11,538m
53℃
-
15時45分
アムステルダムの北方向
302km
36分間
703km
6,700m
45℃
着陸へ高度下げる
16時23分
スキポール空港到着
-
-
-
-
--
-

 ご参考までに:帰りの便(12月27日、スキポール空港出発便の)KLMオランダ航空0869便(KL0869)フライト中のデータは、「機内の液晶モニターと福岡空港到着」のページから参照願います。(同じようなデータ表を掲載中です)

(掲載日:2014年1月9日、2015年2月16日に追加掲載)
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(旅行メモ)
2013年12月21日(日本時間)
12時40分、離陸後、上昇飛行中
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