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アムステルダム市内観光その4
(写真1)  ムント塔(中央部) (元は城壁の一部だった)

2013年12月26日(オランダ時間)
 前ページには、アムステルダム市内見学で、アムステルダムの王宮、ダム広場そしてバイエンコルフ百貨店内で昼食をとったことなどを先に書きました。昼食後ルーキン通りを歩きながら市内見学を続け、傾いた建物や ウィルヘルミナ女王騎馬像を見ました。

 今回のページは、その続きで主にムント塔、シンゲルの花市場、世界遺産にもなっている運河のことなどについて書いています。

ムント塔
  ウィルヘルミナ女王騎馬像さらには遊覧船発着場のある運河沿いの建物など見ながら、さらにルーキン通りを南下すると、段々と大きく高く見える塔がありました。これは、ムント塔と呼ばれている建物で、時計の文字盤が金ピカで良く見えていて13時46分を指していました。塔の前が、ムント広場と呼ばれている所です。この塔について、国語辞典の大辞泉には、次の< >内のことが解説されています。

  < ムント塔(Munttoren)=オランダの首都、アムステルダムの中心部にある塔。1490年に市街を取り囲む城壁とともに建造。17世紀に城壁が取り払われ、見張り塔だけが残り、時計台が付けられた。ムントタワー。 (補説)「ムント」は貨幣、鋳貨の意。1672年にフランスがアムステルダムを侵略した際、この塔で貨幣の鋳造をしたことに由来する。 >
 
 このムント塔周辺は、合計6本の道路が行き来する交通量の多い所で、私達も信号機で待たされて2本の通りを渡りました。また、その各道路の先には、例えばアムステル川と各運河もありました。つまり、町の中心部でもあるし、陸上・海上の交通の要衝でもあったようです。上記の国語辞典にもある通り、このムント塔は、大昔、城壁の一部で見張り用の塔だったというのが、「なるほどなあ」と実感しました。
(写真2)  シンゲルの花市場(左奥へ並んでいた)
(写真3)  運河写真その1(中央は遊覧船)
(写真4)  運河写真その2(中央はアーチ式の橋)
(写真4)  ハイネケン エクスペリエンス(右下側は橋)

 この塔を支えている下側や建物は、古い赤レンガ造りです。しかし、大きな時計やその上部にあるカリヨン(組み鐘)は、色や造りからしてレンガよりは新しく見えました。つまり、この時計などは、最初からあったものではなく城壁の役割が終わった後に付けられたみたいです。その時計回りでは、偶然ながらカモメか何かの水鳥が飛んでいたようで、(写真1) に写っていました

 ムント塔の近くで、進行方向右側(西側)方向にカルフェル通りがありました。この通りには、クリスマスの飾り付けが建物間に渡してありました。また、私が思うに、ここも古くからの商店街のようで、遠目で見ても人がいっぱいのようでした。

シンゲルの花市場

  このムント塔の脇にあるファイゼル通りの歩道を南へ進むと、その横には、また今までと違う運河がありました。この運河の両脇にある道路は、シンゲル通りと呼ぶようです。その運河の先の岸には、裏側(背面)がガラスやビニールみたいなものできた、低い建物がズラリ100m以上並んでいるのが見えていました。

  私達は、表側はどうなっているのかなあと思いながら回り込んでみますと、花、種や球根などがいっぱい並んだ店がカメラのファインダーに納まりきれないくらい並んでいました。「あー、ここが有名なアムステルダムの花市場か」と言いながら数枚シャッターを押していました。

 「この真冬の時季に、こんなに花が沢山あるのか?」と驚きながらも、「たぶん、この花はハウス栽培なんだろうなあ」とも思いました。私のように何も状況が分かっていない者は、「真冬=花が少ないのでは?」と勝手に思っているだけだったのかもしれません。

 むしろ、クリスマス・シーズン用の花出荷が多いのでしょうから、一年中で一番、商売繁盛の時期だった可能性もあります。いずれにして、この花市場周辺は、それこそ華やいだ、冬なのに暖かさも感じる場所でした。

世界遺産の運河の連続
 シンゲルの花市場を後にして、私達は、次の目的地であるアムステルダム国立美術館を目指していきました。花市場から、その美術館までの距離は、ざっと1.5km弱だったと思います。その内約1kmを、ほぼ一直線上にファイゼル通り、ファイゼルグラハト通り、ウェーテリングラーン通りと進み(南下)ました。

 その間に、5つほどの運河が横切る感じで、次々と現れました。ここで、少しアムステルダムの運河について書きます。アムステルダムは、「北のベニス」と呼ばれているくらいですから、まさしく、「運河の街」、「水の都」、「港湾都市」です。

 その運河の歴史も古く、400年前からあるようです。そして、「アムステルダムの17世紀の環状運河地区」は、歴史的にも文化的にも重要な価値があるということから、2010年にユネスコの世界遺産になったようです。

 不勉強者の私は、「17世紀の運河環状地区」といっても、どこからどこまでのことを指して言うのか分かっていませんでした。もしかしたら、既に散策した場所も全部入っていたのかもしれません。歩いた後で調べてみると、縦横に張り巡らせてある運河の中でも、一番外側の大きい運河であるシンゲル運河に囲まれた範囲内を世界遺産の「17世紀の運河環状地区」と言うようです。

 旅人にとって世界遺産の範囲内の話は脇においても、この周辺の運河と建物は、実に絵になる所ばかりでした。波静かな運河、木立のある散策路、両岸にたつ古い建物群、冬物のコート姿でゆっくり歩く夫婦など、どれも絵心があれば描きたいような風景でした。

 また、運河によっては舳先から白波を立てて過ぎ去る遊覧船、赤レンガ風の頑丈なアーチ式の橋も見えるところもあり、これはこれでいいなあとも思いました。あと、このような運河を見ていますと、どうしても思い出してしまうのが、北海道の小樽運河です。私は、小樽にも数回行きましたが、いずれも真冬の時季で、その内1回は粉雪が舞う日でした。

 マイナス5度位の寒い白銀の世界でしたが、運河の海の色、赤煉瓦の倉庫群、さらに柔らく照らすガス灯など、いずれも風情がありました。運河の規模や本数は両者全く違いますが、このアムステル運河も何か共通したような雰囲気や歴史を思い出しました。

ウェイテリンプラントスーン(Weteringplantsoen)
 いくつかの運河を見ながらファイゼルグラハト通りを南下していますと、急に市電(路面電車)が増えたような、まわり街路樹や芝生が多い所に出てきました。後で地図で調べてみますと、この一帯は、ウェイテリンプラントスーン(Weteringplantsoen)と言うようでした。直径100m位の円状に市電や道路があり、それ以外は芝生や木々のようでした。

 なぜ、ここが円周状の線路になっているかと言いますと、ここで車両の方向転換をしているのではないかと推測しました。例えば東側からずっと走って来ていた電車が、ここで一周し路線を変え、次は北側へ向かうとかです。私達は、この大きな円周を東側から南下していきましたが、その間にも車両がいくつか出会いましたので、カメラでも撮ってみました。

 そして、半円状のウェーテリングラーン通りを進むと、東側に八角形の建物がありました。ここの屋根には、日本でも見慣れたビールのハイネケンとペプシコーラの看板が掛かっていました。そして、店内の赤色灯には「PANCAKES(パンケーキ)」とありましたので、ここは「たぶんカフェテリアみたいな店だろう」と思って通り過ぎました。

 先ほどから見えていましたが、ハイネケン エクスペリエンス(Heineken Experience)が、この辺りからさらに高さも幅も大きくなり、広角レンズでも入りきれない位でした。私は、以前このビールも良く飲みましたが、会社の建物を見たのは初めてで、一見してレンガ造り風で歴史を感じされるものでした。

 この建物は、元々はビール醸造所でした。何年か前に改築され、今はマルチメディアを駆使した解説、試飲コーナーやバーなどがあり、人気の場所にもなっているようです。ただし、私達は時間との関係上、中には入りませんでした。このハイネケン社について、国語辞典の大辞泉には、次の< >内のことが解説されています。

< ハイネケン=1864年設立の大手ビール会社。主要ブランド〈Heineken〉を有し,オランダ最大,世界第2位の地位を占める。アムステルダムを本拠地として世界約60ヵ国に110余の生産拠点を,170ヵ国以上に販売拠点を,それぞれ配置している。 >

 このハイネケン エクスペリエンスの建物前にある交差点から、私達は進行方向を右側(西側及び北西方向へ)変え、大きな通りでもあるスタドハウダースカーデ(Stadhouderskade)通りを進みました。次の目標であるアムステルダム国立美術館までは、もう直ぐの距離でした。

(掲載日:2015年1月19日)
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(旅行メモ)
2013年12月26日(オランダ時間)
     アムステルダム市内観光(4)

13時05分、百貨店のカフェテリアで昼食
13時30分、運河沿いを散策、傾きかけているビルなどに話題
13時40分、運河に掛かる橋の上に騎馬像、ムント塔、花市場、運河風景など
14時20分、アムステルダム国立美術館周辺の運河風景、自転車式発電機など
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