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グラン・リュ通りと山頂は古城
アルザス・ワイン街道巡り、リボーヴィレ

 今日(2004年6月19日)は、観光バスでアルザス街道巡りもあるし、夜は結婚パーティーの予定もあり、けっこう長い一日になることが予想されました。

 これまでの2日間の快晴に比べ、この日青空も少しありましたが、厚い雲がたれこめはじめ、「今日、天気もつかなあ」、「まあ、なんとか雨にはならないでしょう」などと、話し合っていました。

 朝食後の急ぎ足で、ストラスブール中央駅を目指しました。なんとか9時出発前の10分前には着き、チケットなどの手続きも終わり、「あの運転席横は、特等席ね」みたいな話しも聞きながら待っていると、やや遅れながらもバスは出発しました。

 運転手さんのガイド内容によると、約1時間で最初の到着地であるリボーヴィレに着くとのことでした。(恥ずかしながら、私はこの「リボーヴィレ」とその後行った「リクヴィル」の名前をこの間何回聞いても混同して、なかなか覚え切れず、地図まで買ってこの日最後ホテルで寝る前に手帳にふたつの地名と場所の位置関係を書き入れ、やっと確認できました)

お土産店の看板
 ストラスブールの市街地を過ぎると、あと車窓から見える風景は、見渡す限りの農地及び農村風景でした。点在する農村の中心地には、必ず教会の塔が見えました。アルザス地方は、一般にヴォージュ山脈とライン川の間を呼んでいるようです。今日は昨日までの快晴と違って残念ながら、その両方とも見えにくい状況でした。

 バスは、かなりの高速で飛ばし30分か40分くらいたった頃でしょうか、段々と右手に千メートルはないと思われる山並みとその麓に点在する村々が目立ってきました。

 ところどころの山の頂には、城らしきものも見えてきました。運転手さんも、「お昼食べた後行くのが、あのオー・ケニグスブール城ですよ」みたいに言われたようですが、似たような城がいくつかあり、この時はどれがそうなのか確認できませんでした。

 高速道路から別れ右に進むと、ちゃんと舗装された立派な道路なのですが進めばすすむほど、さらに農村風景が身近に感じてきました。10数分走ったところ、リボーヴィレの広場兼駐車場に着きました。

 「今度の出発時間は、11時00分」と、分かりやすい手書きの紙を見ながら、バスを降りると、まずは近くのトイレに向かうことにしました。すると、広場の芝生の上にのっそり、ゆっくりと言う感じでコウノトリが歩いているではありませんか。

市場と八百屋の看板
 「えっ、こんな身近にいるのかあ」と慌ててカメラを出したのですが、残念ながらピンボケでした。コウノトリは、下手な素人カメラマンを尻目に悠然と立ち去って行きました。(このコウノトリについては、このページ後半にも書いています)

 この広場からは、右手に丘が見えますが、それが一面ブドウ畑でした。花壇のある家や軒先に花が飾ってある家を進むと、リボーヴィレのメインストリートであるグラン・リュ通りに入り、ここから通り後方の山頂には、かなりはっきりと分かるお城がありました。

 この通り入口みたいな所の左手には、観光案内所もあったようで後で考えると、ここで地図かパンフレットをもらえば、もっと違った角度の写真も撮れたのかなあと思ったのですが、後の祭りでした。

 この通りからは、ずっと木組みの家を始め、可愛らしい家並みが続いていました。店の看板なども、シャボン玉を飛ばしている小熊風、八百屋のオヤジ風、絵本に描かれている人形風など個性的で、なおかつ楽しく時間を忘れそうでした。

ブシェール(Bouchers)時計台
 アルザスワインの本場らしく、通りのあちこちにワインを売っている店もあり、中には門構えの大きいワイナリーもありました。グラン・リュ通りを右に行ってはお土産店を見たり、左に行っては角度を違えてカメラを構えたりと、その後30分位だったでしょうか、気の休まる暇がないという感じでした。

 通り横にややひらけた広場があり、ここには市場が開かれ、野菜、果物、花などが売られていました。この広場の奥には、今まで見た家よりはかなり大きな建物があり、屋根にはダイヤの組み合わせで模様が施されていました。

 さらに進みますと、先ほどから見えていて、上部に大きな時計のあるブシェール(Bouchers)時計台がありました。この塔は、全くの目算ですが高さは10数mくらいで、さらに正確さを欠きますが、塔の造りからして大昔は村に入る城門ではなかったのかなあと思いました。

 塔を振り返りながら前に行くと、右側の木組みの家に特徴がありました。今まで見てきた木組みの漆喰壁は、白もしくはアイボリー系の色でしたが、この家は濃い真っ赤な色でした。白色系を見慣れた関係か、あんまり可愛い感じには見えなかったのですが、珍しかったのでカメラに納めました。

 この家から歩き出すと、左手にシャンシャンと水音が聞こえてきました。何だろうと思って近づくと、そこは花も植えてある泉でした。これ以上、先に行っても同じか、また、集合時間も気にしないといけないと言うことで、戻ることにしました。

木製の板壁模様に特徴のあった家
 来た道を戻るばかりでは変化がないので、左手の細い路地を抜け、ブドウ畑が間近に迫っている「12月3日通り」を歩くことにしました。この通り直ぐに一見農家らしい家がありましたが、この家の壁が妻壁からその下まで全て木製なのです。

 下側は幅の狭い板を格子状に張ったものでしたが、上の妻壁部分がなかなか変わった模様でした。(このページ掲載写真をご参照下さい) 

 この通りは、左手にブドウ畑がずっと続iいてはいましたが、もう一つ全景を入れて撮ろうと言うスポットに恵まれず、しばらく歩いて結局、右に折れて往路の通りに戻ることにしました。

 途中、路地を進むと泉が見えてきて、この泉名からか、この道は「フォンターナ(泉)」通りと名づけられているようでした。このように、パリでもストラスブールでも、そうでしたが幅の狭い長さのあまりない道でも、こちらでは、ちゃんと道路名があります。

縫ぐるみのコウノトリ
 何事に付け忘れっぽい私ですが、一旦地図などで通り名を確認すると自らの足で歩いたためか、たまに建物より通りが印象深い時もありました。戻ったグラン・リュ通りは、来た時よりも観光客が増えたようでした。

 実質1時間くらいの見学で、このリボーヴィレ村のことを何か分かったと言うことでは、けっしてありませんが、それにしても、どの家にも花が植えられておりました。これは、ただ観光客に見せるだけでなく、この村の方々が、日常されていることで、またそれが普段に出来るのは、心も経済的にも豊かではないとできないことではないかと思いました。(このことについて、別のページでまとめて書く予定です)

 バス駐車場前付近では、建物の屋上を見やる人がいるのでその方向に目を向けると、どうもコウノトリの巣があるようでした。コウノトリはアルザス地方のシンボルで、どこの町や村でも、お土産店で縫ぐるみ、絵葉書や本などを見ました。

 とりわけ、このリボーヴィレは「コウノトリの里」とも呼ばれているみたいで、バスの上から看板を見ただけですが、村はずれには、「コウノトリ公園」もあり自然に営巣しているようでした。

 この地で、コウノトリと言えば人の赤ちゃんを運んでくると言ういい伝えがあるみたいです。一時期の絶滅を脱して増えているようですが、幸福の象徴コウノトリが人里にこれだけ一緒に暮らしているのは、この村の人々の優しさと努力の賜物でしょう。大変素晴らしいなあと思いながら、リボーヴィレを後にしました。(掲載日:2004年7月27日)

参考(ホームページ)資料
Ribeauville、Riquewihr(リボーヴィレ、リクヴィル観光案内)

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