第１日目１０月１６日（土）

『名刺代わりのラーメン』

　大きく背伸びしながら起き、朝風呂に入った。夜勤明けの疲れもすっかり取れた。07時過ぎに朝食のため１階に降りた。レストラン前には大きな庭があり、それを見ながらのバイキングの味は格別であった。目を他のテーブルに移すとさすがに国際空港近くのホテルのせいか、皮膚の色も話し合っている言葉も数多かった。　外に出て、散歩しながらホテルの写真を撮っていると次々と空港行きのバスは発着していた。

　一旦部屋に戻ると08時のテレビで一週間の出来事特集を報道中で日ロ首脳会談等を取り上げていた。ホテルの用紙を利用して田舎の甥姪に手紙を書いた。ホテルのチェックアウトをすると 15450円だった。現金を使いたくなかったのでカードで支払った。09時30発の送迎バスで成田空港へ向かった。朝は混雑する思っていたら以外にも15分位で第１旅客ターミナルビルに到着した。

　ビル内をブラブラと歩きながら、集合場所を確認し、真ん中付近に自動販売機を見つけたのでウーロン茶を飲むことにした。まわりは人だらけなのにここのソファーは空いていてゆっくりできた。　旅行代理店指定の集合時間10時30分がきたので ､Ｈ214カウンターに行った。航空券やパンフレットを渡され、各々の手荷物にエアーライン・タグを付けてもらうと段々と旅行らしくなってきた。代理店からスイスで使う4つの重い梱包を預かり、私の空っぽのサムソナイトに入れた。

　一通りの説明を聞いた後、喫茶店で時間つぶしすることに衆議一致したので2階に行くことにした。　コーヒーを飲みながら自己紹介し、もらったパンフレット等を開いた。これは日時、時間、行く場所、飛行機と列車時間、各地のホテル名さらには注意事項等詳細に書かれており、便利なガイドブックだった。

　海外旅行は始めてと言う人もいて話題は当然手荷物の預け方から飛行機の乗り方まで様々であった。私はどちらかと言うと答え役だった。　11時15分 再度､Ｈ214カウンターに集合し、今度はエールフランス航空のカウンターに手荷物を預けに行った。最後に出発の説明を受け、他の方は出国手続きに行かれた。

　私は身軽になったので成田空港の写真を数枚撮るため外に出た。さらにスイス在住日本人スタッフの方にお土産と思い売店を探した。ぐるっとまわったが一番手前の売店が種類も多く、お菓子類よりはラーメンが良いのでは勝手に思い『名刺代わりのラーメン』を買った。

　12時には成田空港使用料を自動券売機で買い、下に降りていった。出国検査場は長蛇の列でイライラした。その中にはテレビのワイドショー番組で良く見るレポーターの姿もあった。約30分もかかってやっとゲートへ行けた。もう案内していたので、慌てて「これから出発します」と電話した。（1994年1月1日記す）