無賃乗船
船上からシヨン城を撮影していたら、船は別途料金になっていたことが船員より指摘され、慌てて2フランずつ払った。分からないこととは言え私達は全員無賃乗船していたことになる。「何と言う日本人か」と思われているだろうなと思いつつ、また、船室を出て舳先に出た。 あっと言う間にお城は遠くなった。それにしてもシヨン城は中世の優美さがあるのにその上に見える高速道路が目障りだった。あれがなければレマン湖と紅葉に映えるシヨン城としてもっといいのにな〜と思うのは私だけではないだろう。 船内では近ずいて来るモントルーの町並みを見ながら、先ほどの船賃の件で「このジュネーブで買った切符で船のマークがあるので船賃込みかと思ったのに」「それにしてもスイスは船でも公共料金は安いね」等の話題が出ていた。約15分の船旅はあっと言う間だった。 モントルーの船着き場で下船し、歩きだした。お城に来る前に歩いた所なので駅への道は簡単だった。 来た時はあまり見なかったが、モントルーの駅舎はかなり大きく風格があった。トイレ・タイムとなり「行ったけど分からない」と言う人もいて、「男用はここのMESSIEURSと書いてある所ですよ」と教えてあげた。 壁に張ってある黄色い時刻表を澤さんが見ていたら「今回乗り換えなしでジュネーブに着く」と教えて頂いた。約15分位の待ち時間があり、ホームだけでは寒いので待合室に入ったり出たりを繰り返していたら、次第に客も増え中央のキオスクで週刊誌の表紙を見ていると電車が来た。17時07分列車はモントルー駅を出発した。(1994年1月1日記す) |