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束の間の国際交流

 今回席は固まらずお互いにバラバラ座って今まで行っていたシヨン城や今夜行くレストラン等の話している人、さらには連日の強行軍で疲れ寝ている人等それぞれだった。また、中には明日行くパリの話しに移っている人もいた。

 30分位たちローザンヌ駅から過ぎてから、空いていた前の席に二人のスイス人が座った。親戚のような感じで若い方が早目に一人降り、残られた方が褐色の男性で人の良さそうな人だった。後ろにいる山口さんから日本のバッジをもらい、手を差し出したところ、喜んで話してくれた。

 名刺をくれ、「ショーン・マックス・ミレーヌ」さんと言う。慣れない英語でこちらからも「バンカー?」「イエス」「ミスター・ショーン・マックス・ミレーヌ」「イエス」等話し始めた。名前が分かりやすく、覚えやすいため「グッドネーム」と言うと笑顔になった。河原井さんも話しされ片言の英語がこの席は活発になった。

 分かったことはミレーヌさんがローザンヌの銀行に勤めていること、今日は勤めの帰りであること、以前パリに住んでいたこと等であった。段々分かりかけてきたところ途中のニヨン駅に着き、握手して降りられた。

 後方の席にいる小林さんにもらった名刺を見せながら「英語でこの銀行マンとしゃっべてました」と報告すると「それは良かった。もう通訳はいらないなあ」と言われ「飛んでもない」と返事した。他愛もない話しだが、束の間の小さな国際交流だった。(1994年1月1日記す)

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