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パリの美術館オルセー美術館
名前  オルセー美術館(Musee d'Orsay)
開館年  1986年
場所  地下鉄オルセー駅から徒歩1分位
開館時間
などの情報
 変更もあるので下記を参照下さい。
リンク先  Musee d'Orsay

 私は、このオルセー美術館には今まで1993年10月24日と1996年9月3日と2回行きました。このように回数は多くないのですが、パリのセーヌ川散策時には必ず見る建物の一つで、けっこう印象深く覚えています。

 この美術館は以前「駅舎兼ホテル」で、このページ右側写真(上部)にその雰囲気が残っています。駅舎は1900年のパリ万国博覧会にあわせてオルレアン鉄道によって建設されたものでした。鉄道の営業廃止後、様々な転用があったようですが 1986年にオルセー美術館としてオープンしました。

  実は1986年と言えば私が初めて海外旅行(ヨーロッパ3空港調査旅行記)した年で、この時までは、まだ、印象派美術館(ジュ・ド・ポーム)と 言う名前の美術館が存在していました。残念ながら、この時(1986年2月)は、この印象派美術館は休館で、皆で「ちょっと残念だなあ」と 言いながら近くにあったオランジュリ美術館(モネの睡蓮の大作がある)に行ったのを覚えています。

オルセー美術館内部、中央奥が時計
(大村市在住のNさん提供写真)
ゴッホ作
コルドヴィルの藁ぶき屋根の家

 その印象派美術館にあった作品が、このオルセー美術館に収蔵されていました。この美術館は時代的な作品別として古代からの美術工芸品や絵画の多いルーブル美術館と 近代現代作品の多いポンピドゥー・センター(ジョルジュ・ポンピドゥー国立芸術文化センター)の中間位置だそうです。 そのような表現より、むしろ私にはゴッホ、ゴーギャン、モネ、マネ、ルノワール、クールベなどの絵が飾ってある美術館と言った方が分かりやすかったです。

  オルセー美術館開館後ガイドブックその他で、この美術館の評判を見るにつけ、「いずれパリに行く機会あれば今度こそオルセーには行くぞ!」みたいな気持ちを持ち続けていました。そして、最初のチャンスが冒頭の通り、1993年10月(1993年のスイス・パリ旅行記)でした。

 しかし、この時はシャルル・ド・ゴール空港から帰国のためバス集合時間が昼前で、結局”駆け足見学”となりました。私は連れの弁護士さんご夫婦と一緒に3人で9時には玄関前に並んではいたのですが、長蛇の列で入館するのに40分間かかりました。

 日本語ガイドブックを買った後、足早にミレー、セザンヌ、アングルなどの有名絵画を見ました。晩秋の季節なのに駆け足で見ているためか汗をぬぐったほどでした。3人とも「最後にゴッホの絵を見たい」と思ったにも関わらず、なかなか探しきれずギリギリの間際にゴッホのコーナーも見れたのを今でも良く覚えています。

 そのようなこともあり、「次に行くときには、もっとゆっくりオルセー美術館を見てみたいなあ」と思っていました。その機会は意外と速く1996年9月(ローマ・パリ旅行記)に訪れました。この時は、義兄、甥と姪一緒の4人旅行で自由時間の取れるものでした。それで前回の反省の上に立って、とにかく「ゴッホの絵を先に見よう」と言うことで、まずはそこを目指して行きました。

 ゴッホの絵で有名なのは、『オヴェールの教会』、『アルルの女』、『アルルの寝室』などと思います。私がこの時、中型カメラで撮影したのは右上写真の『コルドヴィルの藁葺き屋根の家(コルドヴィルの藁ぶき家)』です。この絵のタイトル(フランス語)は長くて、日本語名でどう呼ばれているのか、帰国してから結構苦労しました。

 この絵は1890年の作品のようで、中央に藁ぶき屋根の農家があり、その後方に林があり、その上には夏の空と白い雲があります。いずれもかなり、うねったような描き方です。太陽光線が真上からか影がなく、スッキリはっきりした夏を思わせるタッチです。この絵は、自分のカメラに収めたからと言う思い入れもあるのかもしれませんが、なんか色々と感じるものがあります。

 私の実家は、こんな大きな家ではありませんでしたが、実は小学生の頃改築するまで藁葺き(わらぶき)の農家でした。それで、この絵に何か興味引かれました。その当時、家族総出で藁の張替えを何年かごとにやった経験もあるのですが、夏涼しく冬暖かい、この藁葺きの家は、ある種の郷愁が私にはありました。

  ゴッホの絵を見た後、印象派の有名な絵をそぞろ見ながら、屋上のカフェテリアに行きました。ここは、なかなかのお薦めスポットで、真下方向にはセーヌ川、対岸にはルーブル美術館、さらにはパリ市街も望めました。私は、喉が渇いたので、ここで混じりけなしの100%オレンジジュースを飲んだのですが、思わず「うまいなあ」と声が出ました。

huitles02.jpg (47398 バイト)
オルセー美術館の外観(1996年9月3日撮影、手前がセーヌ川)

 帰国後、買ってきたオルセー美術館のガイドブックや絵葉書を今でもたまに見ています。それらには学校の美術の時間に習ったような『落穂拾い』(ミレー)、『日傘をさす女』(モネ)、『横笛を吹く少年』(マネ)、『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』(ルノワール)、『ダンスのレッスン』(ドガ)、『オルナンの埋葬』(クールベ)など、数上げたらキリがありません。

 絵心の全くない私の感想ながら、どの絵も派手さや奇抜な構図などがあまりない、むしろ極普通の日常生活・仕事さらには風景などを描いているのに、なぜ長年ずっと覚えているような絵が多いのでしょうか。だからこそ、”印象派”絵画と呼ばれているのでしょうか。

 あと、それにしてもこのような世界中の方が知っておられるような、”世界の宝”みたいな絵が生で見られるオルセー美術館は、やはり「うーん、さすが」と言う以外にありません。しかも、元々駅舎を改築して美術館にしていると言うのですから、どこかの国の上物・箱物だけには何百億円もかけて立派に建てても、肝心の絵や芸術品があまりない、どこそこの美術館と比べること自体が間違っているような気がします。

 私にとって、またチャンスあれば何回も時間かけて見てみたい美術館の一つです。

(掲載日:2008年1月14日)
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