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ログハウスの12か月
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ログハウスこぼれ話し、7月
夏雲の
 6月に植えられた稲は、すくすく育って、濃くなった色は力強くさえ感じます。(このページ掲載写真は、2004年7月3日撮影)学生さんが夏休みに入ったこの時期は、一番日照時間も長く、日本の西の果てに位置する長崎県では、日が沈むのは大体19時30分頃です。残照もありますので、20時頃まで外は、明るいです。

 空には、入道雲がモクモクとふくらみ、青空と緑濃い山波とのコントラストが一番強く感じる頃です。近くの木立にいるセミたちも、ここぞとばかりに鳴いています。

 日常の挨拶でも「今日は、暑か!」、「ぬっかねえ!」、「暑かバイ」と交わされる回数が増えるのも、この頃です。

 そのような真夏盛りの時でも、私のログハウスは、クーラー要らずで過ごせます。と、言うよりも「貧乏生活してるのでクーラーが買えない」と言うのが正確なところです。

 ただ、私の丸太小屋は、海抜約90mの丘で、さらには回り田んぼばかりなので、市街地よりは温度自体も確かに数度低いです。

 あと、温度計の目盛り自体よりも体感温度といいますか、瑞穂の波から吹き寄せる風や野鳥のさえずりなどに接していると、むしろ涼しい感じさえします。

 それは、この時期、大村市内を歩いているとムッとするような車やクーラーの排気ガス、アスファルトの照り返しの所から帰ってくると余計に感じます。国道34号線沿いの市街地から車で走ってきても、温度も爽やかさも、近づくにつれ刻々と変わるのが肌で分かります。

 あと、丸太小屋の断熱効果を発揮するのも、この時季です。これは1998年7月20日のデータですが、正午、外気温31度の時、前夜から窓を開け早朝(その時間は内外温度は同じ24度)窓を閉めた状態で28度でした。日が上がり、外気温はみるみる上昇しているにもかかわらず、内部の温度は同時間同気温で上がっていないと言うことです。

 つまり外気温が内部まで伝わっていない=断熱効果が高いということです。これは、丸太自体がコンクリートよりも断熱効果が10数倍高いことに加え、二重窓、分厚い断熱材その他の設計上の反映もあろうかと思います。

 日本は大昔から高温多湿の国です。兼好法師が書いた徒然草にも「家は夏向きに作るべし」みたいなことが書かれています。この言葉は、現在でも通じることで(建築後色々施工するよりは)家を建てる前からのことを述べておられるような気がします。

 あと、真夏時の休みには、昼寝もあります。節ばかりの檜の床板ですが、これが背中にヒンヤリとして、なかなかいいものです。どんないい栄養ドリンクより短時間の昼寝の方が疲労回復効果があるのではと、ひそかに私は思っています。まわり何もない田舎で、クーラーさえもない丸太小屋ですが、それなりに真夏日も過ごしています。

(掲載:2005年7月24日)
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