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ログハウスの12か月
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ログハウスこぼれ話し、10月
稲穂が実る頃
 私のログハウスまわりで好きな風景の一つが、黄金色に輝く稲穂の実る頃です。この時季は、例年なら暑さも遠のき、晴れ間の多い気持ちの良い日が続きます。風のざわめきも稲穂から吹いてくる関係からか、なんとなく”サワサワ”、”さわさわ”と言う感じです。(このページ写真は、2003年10月5日撮影)

  ログハウスまわりはの田んぼは、5月に植えられた弱弱しかった苗が日増しに大きくなり、ここまでに成長し「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂な」の名文句通りなりました。この光景と収穫の喜びは、日本で稲作が始まった数千年前の昔から今まで変わることないことだろうと思います。

 このころは、台風の季節でもあるのですが、そのためばかりではないのでしょうけど、私が学生時代の頃よりも、かなり、稲刈りや脱穀も早くなったような気がします。

 当時、稲刈り、天日での掛け干し、運搬などは、総て手作業で、脱穀、乾燥までも人の手がかかっていました。かなりの重労働だったと思います。

 今は、コンバインで刈り、乾燥機に入れてしまえば、たいてい秋の収穫作業は終わりになる農家もあります。

 ただ、亡くなった父などは、「乾燥機にかけた米よりも、良く天日で乾かした掛け乾しの米を、出来れば水車で脱穀した方が米はうまい」と言っていました。

 つまり、現代の方法は、機械乾燥後、速いスピードでモーター脱穀すると米から熱が出て、そのためデンプン質になりやすく、うまくないとも言われています。

 そのようなやり方よりも、昔ながら天日での掛け干しで充分自然乾燥させ、その米を熱が出ない水車の脱穀で数日かけて仕上げた米が、炊いた時にうまいのだと父は言っていたのだと思います。

 このような方法は、手間暇がかかり、今ではむしろ贅沢な米の脱穀方法だと思います。でも、昔は機械などもなかったですから、そうせざるを得なかったかもしれませんが、今思うと食べる米自体は一番おいしく食べる、いわば米のグルメみたいな食べ方だったと思います。

 もう水車での脱穀などは、時間やコスト面などからとても無理なのかもしれませんが、どこかで復活されるなら見てみたい風景だなあと思っています。(掲載:2005年10月17日)
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