グランドキャニオン空港へ飛行中 (2008年11月22日、アメリカ、太平洋標準時)
座席に乗客全員座ると、男性機長の方から「グランドキャニオン日帰りツアー、ようこそ」みたいな挨拶を述べられ、その後「このドアは手動で閉めます」との話がありました。また、操縦室は開放のままで、しかも「コクピットを写したい方は順番にどうぞ」みたいなことも言っておられました。操縦室の左席には女性機長が座っておられ、地上係員へを手を挙げてから(左側の)ナンバー1エンジンをかけられ、その次に右手の指2本を示しておられたので(右側の)ナンバー2エンジンのスタート合図だなあと思っていました。すると私が座っている真横のプロペラが回り始めました。
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白くかすんで見えるカリフォルニア州かアリゾナ州境付近の山脈
(手前は左側エンジンとプロペラ)
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コロラド川(フーバーダムの上流域かも?)
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どちらのエンジンも快調のようで、その次、機内からは当然見えませんが、たぶんに機長の指示通りに地上係員が前輪に付いているチョーク(車輪止め)を外されたのでしょう。しばらくしてエンジン音は一層大きくなり、その後機体は滑走路に向かって誘導路を進みました。
滑走路でスピードを速め8時45分頃、ふわりと浮かぶような感じで機体はテイクオフ(離陸)しました。その後、私は市の境までは分かりませんでしたがホーソン市とかロサンゼルス市の市街地が見えました。 ただし、この日は先日来から発生していると言う大きな山火事の煙の影響もあってか、はたまた天候上の霧の関係からか、全体ややかすんだ状態でした。
離陸してしばらくの間は両市の市街地と思われる一体は、さすがに平野部の住宅地が多く、碁盤の目のような整然とした区割りでした。ところどころに学校なのかあるいは軍の基地内なのか分かりませんでしたが、そのような施設あるいは明らかに工場と思われる建物も連続していました。また、片側6車線の高速道路(フリーウェイ)や遠目に小型飛行場らしき所も見えました。
ぱっと見ただけで本当のことは分かるはずもありませんが、少し飛んだだけでも眼下に広がる様々な大きな建物、施設など沢山あるのですから、「このカリフォルニア州と言う所は、それだけで、どこかの一つの国みたいな生産力があるのだろうなあ」と想像できるほどでした。
全部の州がカリフォルニア州と同じという訳では当然ないものの、このアメリカは50州あるのですから、全体での生産力は日本などが束になってかかっても追いつかないほどなんだなあと、つくづく実感しました。
あと、このフライト自体は順調そのものでしたが、カリフォルニアの青空が煙か霧かで白くかすんでいたので上空から何枚も写真撮ったのですが、いい写真が撮れませんでした。(それで、このページにも上空からの地上写真は1枚だけです)
広がる砂漠とコロラド川の青さ
市街地の上空からも見えていましたが、山波がより近くに見えてきました。予備知識がないため詳細分かりませんでしたが、これはロッキー山脈の南にあたるのでしょうか。カリフォルニア州内の山脈は煙でかすんでいるとは言え緑色のようにも見えましたが、アリゾナ州に近づけばちかづくほど赤茶けた山波に変化してきたようです。
それからさらにしばらくして、砂漠が見えてきました。この日は見慣れた砂の色と言うよりは白っぽく見えました。砂地以外には所どころに岩山もあり、また、一直線に伸びる道路もありましたが、それ以外の地上の構造物は何もないようでした。ここはアリゾナ州にあるモハビ砂漠(モハーベ)砂漠、Mohave Desert とは思いましたが、とにかく行けどもいけども同じような風景が続いていました。
白っぽく見える砂漠にやや飽きあきした頃、男性機長の方から「直ぐにコロラド川やグランドキャニオンが見えてきます。今日の気温は9度と報告されています」などのアナウンスがありました。急に(空気が透明な状態なら、エメラルド色と表現するのかもしれませんが)真っ青なコロラド川が見えてきました。この色にはやや驚きだったのか機内の他のお客さんも「あれ、あれ、あの青い川!」などと指さしながら皆さん、窓辺を見ておられました。
まあ、緑濃い日本列島を見ている分には、たとえ飛行機の上から信濃川とか利根川をみつけても、ここまでは反応はないと思います。でも、変わらぬ砂漠風景連続の中で、あのような)コロラド川の青さを見つけると、やや感動気味にもなった時間でした。あと、私は、この川はフーバーダムの位置関係が分かっていないので何とも言えませんが、もしかしたら(上から2番目の掲載写真)フーバーダムの湖の上流域に当たるのかなあとも思いました。
いよいよだなあと思ってところ、自分勝手にイメージしていたグランドキャニオン空港(Grand Canyon National Park Airport)の周辺と違う風景が徐々に増えてきました。私自身はグランドキャニオン周辺は良く写真などで紹介される赤茶けた大地がそのまま渓谷だけでなく、周辺の台地もそうなんだろうと想像していました。ところが、空港に近づけばちかずくほど、木々が林立していました。これは後のガイドさんの説明によると「ポンデローサ松(Ponderosa pine )」とか言う樹林帯のようでした。機体の上から見ても、かなり背丈のある木のようでした。
あと、話は前後しますが、私が飛行中見たものの中で、勘違いしたものがもう一つありました。それは後日に分かったのですが、砂漠ばかりにみたいに見えた土地でしたが、ある場所(実際は大規模な農場だった)には民家などもいくつもありました。その近くに一直線道路みたいなものがあったことでした。「あれー、あんな場所に民家があって、あんな道路もあるのかあ」と、その時は思っていました。
そして、その話を次の日にハイヤーの日本人運転手さんにすると、「それは農家で、道路みたいに見えたのは自家用飛行機の滑走路かもしれない。アメリカでは農家も小型飛行機をもっている人たくさんいるよ。農業用だけでなく買い物するのにも使っている」と言うことでした。それを聞いた時に思いだして「あー、そうか、アメリカでは小麦の種まきや駆除も小型飛行機ですると聞いたことありますね」と返事しました。
大地一面に広がるポンデローサ松(Ponderosa pine )を見ながら機体は、高度を下げて行くと滑走路が見えてきました。さらに高度が下がり地面までも良く見え始めた10時10分頃、ゆっくりと言う感じでグランドキャニオン空港へランディング(着陸)しました。
(掲載日:2009年1月3日)
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(旅行メモ)
08時45分、フェアチャイルド・メトロライナー、離陸
<機中からホーソン市、ロサンゼルス市の市街地、
アリゾナの砂漠、フーバーダム、コロラド川、
グランドキャニオン近くの大地など見えた>
10時10分、グランドキャニオン国立公園空港へ着陸
(アリゾナは太平洋標準時より時差1時間先である)
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