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聞いた言葉・第2回目、『人間座って半畳、寝て一畳』

人間座って半畳、寝て一畳

 この言葉は、学生の頃、父母から最初聞いたような気がします。当時、この言葉の意味など分かるはずありませんでした。その後、いろんな方からもこの言葉は、聞きました。しかし、同じことばでも、その時、その場の条件が違えば、少し意味合いが変化する言葉とも思いました。

 それは、
「人間の大きさは、いくら頑張っても、大きさに限りがある」
「人は、有限であって、無限ではない」
「いくら金儲けして、甲子園球場並みの土地を持ち、大きな家を建てようが、人の大きさからすれば必要ない」

「人の大きさは有限であっても、心の大きさは無限である」
「人の行動半径は限度があるが、人の繋がりはいくらでもできる」
 などでした。

 上記の「 」の前に、枕言葉のように言われたのが『人間座って半畳、寝て一畳』でした。それぞれ言われる方によって、励ましに聞こえる場合も、逆にあきらめにも聞こえる場合もありました。
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 また、自分の身の丈以上の物を求めたり、強欲な物質欲を嘲笑している言葉とも聞きました。同じような意味で「墓まで金は、持っていけない」なども同時に言われていました。

 宇宙や自然界の営みに比べれば、まばたきにもならない人の一生。でも、限られた時間、空間であっても、物や形に表れない、心や人の繋がりの豊かさ・大きさは、たとえようのないものに感じる時もあります。

 お金や物にしか価値観を見出せない人は、「人間座って半畳、寝て一畳」の大きさは、病床で伏せったり、死の直前に感じる人もいるでしょう。逆に、それに支配されない人は、自分の大きさを知りつつも、別の大きさ、豊かさを持たれている方も多いでしょう。

 私は、たとえ願ってもお金豊かになれないので、できるだけ後者になるよう心がけたいと思います。(記:2001年9月7日)

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