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聞いた言葉・第10回目、『常に自制心と謙虚さを持って』

常に自制心と謙虚さを持って

 どこの世界にも、博学多彩なリーダーは、いらっしゃるものです。私が以前働いていた航空界でも、戦後しばらくしてから再開された日本の民間航空のことで、その創生期、成長期、発展期、現在まで、詳しい大先輩がいらっしゃいました。私も何度となく、この方の講演を聞く機会がありました。(残念ながら、この方は、大変お世話になったのですが、既に他界されました)

 この方の講演が大阪の池田市で開催された後、居酒屋で交流会がありました。その時(私は当時20代中頃)、「どうやったら、そのように長く続けることができるのですか?」と、たずねました。

 すると、即座に「それはねえ、常に、自制心と謙虚さを持って、物事に当ることだよ」と、教えて頂きました。

 (国語辞典で引くと、自制=感情・欲望などを自分で抑えること。謙虚=ひかえめでつつましやかなさま。自分の能力・地位などにおごることなく、素直な態度で人に接するさま。と、書いてあります)

 この二つの言葉は、私にとって最も縁遠く、さらに出来る可能性の最も少ないものでした。それでも、さらにお話を聞くと、「人間は、その地位(指導的な役職など)に長くいると、どうしても、本人は意識してやっていなくても、どこかに慢心の心が育ちやすく、結果、抑えが効かなくなり、おごりたかぶりも起こるものだよ」

 「この世界、何でも一人ではできないことを良く知り、常に自分では自制しつつ、他人に対しては謙虚な態度を持ち続ければ、失敗も少ないし、ひとも助けて下さる」とのことでした。

 その後、25年以上たつのに今なお、私がこの方の言葉に追加して何か述べるような言葉も経験も、持ち合わせていません。まさしく、その通りだったとの反省ばかりです。

 できなかった私がこんなこと言うのは何ですが、今毎日のようにマスコミ報道されている国会議員の問題もこの二つの言葉が最初から欠けて、国民に対し不遜・傲慢な姿勢があるからこそ、発生しているのではないでしょうか。 (記:2002年3月15日)

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