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聞いた言葉・第128回目、鏡効果

鏡効果

 この言葉、私が思うに様々な場面で、色々な意味で使われているような気がします。今回は私も地元で携わっています地域活動などに関連して、後で書こうと思っていますが、その前に言葉の意味から書いていきます。 国語辞典の大辞泉には、効果について、次のことなどが書いてあります。なお、意味が多岐にわたるため一部省略もしていますので 、下記はご参考程度に、ご覧願います。

=(1)人の姿や物の形を映し見る道具。古くは青銅・白銅・鉄などの表面に水銀に錫(すず)をまぜたものを塗って磨いて作った。 形は方円・八つ花形などがある。現在のものは、ガラス板の裏面に水銀を塗ってある。  (2)人の手本。模範。「人の鏡」(その他あり)

効果=(1)ある働きかけによって現れる、望ましい結果。ききめ。しるし。「薬の効果が現れる」「宣伝効果」「効果覿面(てきめん)」  (2)演劇・映画などで、その場面に情趣を加える技術および方法。雨音・風音・煙・雪など。エフェクト。「音響効果」

 このように一口で鏡と効果とか言っても、なかなか幅広く奥が深い言葉でもあります。ただ、この鏡と言うのは、日常生活に見慣れた分かりやすいためか、冒頭に述べた通り、鏡効果と言う表現を用いて色々な方が様々な場面で言ったり書いたりしておられます。例えば 「・・・・について、このようなことは鏡効果と言いますか、各方面に色々な影響や反響がありますね」とか言われているのを聞いた覚えがあります。

 私は、ある地域の、そこに住む人々が長年開催されてきた祭りや行事を、見ておられた他地域の住民の方が、「こんなやり方があるのか」と関心され、その後年に自分達の行事に、より一層改善工夫して採り入れたと聞きました。また、逆に今まで先進的に頑張ってこられたと自負心を持っておられた別地域の方が、逆に他地域の自分達と別の開催方法をご覧になって、「あー、こんな違った方法もあったのか、こんなやり方もいいなあ」と言っておられたと聞きました。

 このようなことは、自分の地域だけに留めておけば自分では見れなかった、あるいは他への影響があることを知らずにいたが、他地域への反響によって、お互いに分かってきた、見えてきた(鏡効果)と言うことでしょうか。

 あと、地域活動と言えば、よほどの特別な事情を除き、どこの地域でも大抵、予算がない、やる人がいない(高齢化含む)、何かするにもモノ(場所含む)がない状況ではないでしょうか。つまり、地域の方々が、色々と要望は持っていても、「人、物、金」がないと言うことだろうと思います。さらに、日頃は、自分の住んでいる地域や人々の、長年のやり方や慣習があって、なかなか一歩前に出た、あるいは新しい発想による考え方や従来と違う方法へ変えられない状況もあるかもしれません。

 当然、地域活動については、長所短所がつきまといます。長所は継続して伸ばし、短所は改めればいいのですが、なかなか先に述べた地域状況や慣習によって、やり方を変えないとけないと分かっていても急に変えられない場合もあります。そこで、自分たちと似たような地域環境下、同種の行事や活動をしておられる別地域を直接見に行くのが、かなりためになる場合もあります。

 至らぬお節介かもしれませんが私は、このような場合、一人とか少人数で行くよりも、大勢で何回も多くの違った場所へ行った方が、後の討論に役立つような気がします。そうは言っても私自身、各地域に出向いて勉強するのは、それなりに時間も労力もかかるので、「なるべく今まで通りにやっていたら、それでもいいのかなあ」と逃避する場合もありました。

 しかし、そこの主催者の方々に行事を開催するに当たっての工夫、苦労話、やりがい、さらには地域の方からの感謝の声などを、お聞きすると色々と「なるほどなあ」と考えることも多々あったことも事実です。また、逆に「あんた所の・・・・活動は、・・・・行事は、こんなところがいいねえ。参考にしたい」とかの思わぬ評価の声を聞いたことがありました。

 自分だけ、住んでいる地域だけで物事を考えると、どうしても視野も行動範囲も狭くなりがちです。でも、このようにいつもは見ていないような、まるでに写る姿や効果を「別の形=別の評価」で確認できるのも、いいのかなあと考えています。

(記:2011年6月27日)
  

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