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聞いた言葉・第28回目、本当の旅の楽しさを

本当の旅の楽しさを

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アイガー北壁とクライネシャイデック駅
  この言葉は、次の「どこそこを見て、写真撮っただけの旅ではなく、その国や地方の人に接して、ガイドブックにない本当の旅の楽しさを日本の方にも知ってもらたい」の話しの中から引用しました。私は、1993年10月にスイスとパリに行きました。そのスイスで、現地日本人スタッフ(女性)の方からこの言葉を聞きました。

休暇の取得や旅行予算などの関係から、短期間に沢山の国や地域・都市を巡ることは、止むを得ないことだと思います。(特に、日本では長期休暇の取得が、様々な理由により、なかなか困難と言えますから)

しかし、ずっとスイスで多くの日本人旅行者のお世話をしてこられたこのスタッフの方は、そのようなことは分りながらも、旅の本当の楽しみを知っておられるからこそ、なお、このようなことを話されたのだろうと思いました。

私も国内では、それこそガイドブック片手に、日帰り、1泊2日やせいぜい2泊3日の行程で、駆け足みたいな旅行ばかりしていました。結果、一応通過程度も含めて今まで47都道府県全部行ったことになります。

私なりに、出来るだけそこでしか食べられないような郷土料理や地酒、あるいはお土産もお菓子類だけではなく、その地方特有の山海の珍味みたいな物を選ぶようなこだわりはしていました。また、オールディーズの生音楽が好きで、全国約40店舗のライブハウス巡りをしたこともあります。(詳細は「私の好きな音楽」ページからどうぞ)

でも、所詮その旅行は「点と線」みたいなもので、そこの地域の本当のことを見たか聞いたかと尋ねられれば、「ほとんど分らなかった」と答えざる得ないと思いました。

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シヨン城
  私の旅行の仕方では、日本語の通じる国内でさえ、本当のことは分らない状況なのに、ましてや外国ではそれ以上です。ただ、ほんのちょっぴりだけですが、私も上記のスイス旅行時、現地の方と話しをしました。

レマン湖畔にあるシヨン城で歩き疲れて休んでいた時、可愛らしい子どもたちがいたので挨拶がわりに日本から持ってきたバッジをあげるとにこっと笑ってくれました。

そばにいたその子のお母さんが、「ありがとうと、言いなさい」(想像です)と言われたのか、「メルシー」と、私に言ってくれました。別れ際には手まで振ってくれました。たったこれだけですが、なんか疲れがいっぺんに吹っ飛んでしまいました。

あと、そのシヨン城からジュネーブに戻る時、列車で乗り合わせた二人連れの方と席が同じでした。一人が先に降りられた後、褐色のおだやかな方が残られたので、私の方から挨拶しながら(再び調子に乗って)先ほどと同じバッジを上げると、「サンキュー」と返事されました。

それがきっかけで名刺交換し見ると、スイスではけっこう有名な銀行の行員さんで、ローザンヌで勤務した後の帰りでした。私のたどたどしい英語と身振り手振りながら、今まで見てきたスイス各地や次に行く予定のパリの話しなどしました。すると、その方もけっこう昨年行ったパリのこと、スイスのこと、今から行く所や私の時計のことなどで、話しが進みました。

このようなちょっとしたことだけですので、何か分ったとか、理解したと言うレベルに程遠いのに、いつまでもその時の顔や光景とともに話した内容まで甦ってきます。それは、なぜか、やはり決まりきった観光コースや何なに定食みたいな事柄でないことを自ら進んでしたからだと思います。

旅の楽しみ方は、人それぞれで(私がとやかく言うものでもありませんし)、色々な楽しみ方もあろうかと思います。また、たとえ遊びでも何か計画や予定があれば張り合いもあるでしょうし、現在色々なことがあっても、乗り越えていけるような気がします。

私自身も、今後機会あればスイスアルプス(特に、マッターホルン)を中型カメラか高精度デジタルカメラで撮ってみたいし、イタリアや(甥や姪の影響からか)フランスの田舎町もいいなあと思っています。その時は、また、長崎弁と大阪弁しか話せないのを知りつつ、その地域の方々に接し、ガイドブックに書いてないような楽しみ方にも挑戦したいと思います。(記:2003年5月23日)

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