参加できなかった雪上運動会
ゆっくりしていたら時計は12時半をまわっていた。板を履こうとすると少しビンディングの調子が悪い。時間がたつばかりだが、朝も1回何でもない所で外れたのでしっかりドライバーで調整し、第1クワッド前に並ぶことにした。リフト待ちの人は昼食時なのに阪急梅田駅中央口のように多かった。
今日の13時から雪上運動会が尾根ひとつ隣の高原コース第1リフト前で予定されていた。そこに行くには花園コースで一番高くまで登れる第3クワッドまで乗り継がないと行けなかった。登るだけで30分以上かかり、気が少しせいた。それにしても前の列はゆっくした進み方だ。クワッドを3本待つだけでもう間に合わないかな〜と思った。
初級者用の短い第2は早かったが、第3クワッド前は朝までのガラスキは嘘のような人数だった。13時をかるくまわる位に山頂を見上げながら登った。ほとんど木のない山の右斜面には頂上直下の新雪に数本シュプールを描いて滑る上級者がいた。「わあ〜、あんなとこよく滑れるな〜」と思いながら感心していると、先に下に降りた人達が林につかまり悪戦苦闘していた。
昼の羊蹄山を見ながら約1000近い「ジャンボコース」を降りるが下の方にコブもあり、私にはかなりキツイ。休みやすみして降りて見晴らしヒュッテ下に着いたのはもう14時近くになっていた。ここからさらに斜度のある(国体の大回転に使用された約1100mの)「国体コース」はもっとかかるだろうし、混んでいるだろうと思い、雪上運動会は完全に諦め左側に道を取り、朝のように花園コースに行くことにした。
数本「花園」で滑った後、再度同じコースを取り、今度は「国体コース」を降りることにした。噂に違わぬなかなかのコースで横滑りもしながら私は降りざるを得なかった。 高原第1リフトコースを1回滑り降りた後、ほっとしてこのコースの上にある「望羊荘」(羊蹄山を望む意味だと思うがここも山が良く見えた)と言うロッジで休憩することにした。
自分にとっては難コースの連続で膝が笑っていたので、靴を脱ぎスリッパに履き返え、思い切り足を伸ばした。ビールもうまかった。ストーブの暖かさと日当たりの良さからしばしテーブルに頭をこすり寝ることにした。たとえ15分でも、うたた寝は気持が良かった。
奥の壁にはチョモランマ(エベレスト)登頂の大きな写真がかけてあった。近ずいて見るとここによく泊まりに来る山岳家からしく、中国隊と一緒に登った時の物で、青空にくっきり浮かんだ山頂に立った姿が誇らしかった。ただ、世界一のエベレスト山は日本人が沢山登った山でなく、この人の印象が浮かばないのが残念であった。
ここの望羊荘はなにもかも古い山小屋で町中のペンション風は望むべくもないが、スリッパがあり間近にストーブがあり、人が少ないのが取柄だった。