(2004年6月19日) アルザス・ワイン街道巡りからホテルに戻った私たちは、一旦部屋に入り身支度を整え、今度は19時30分、ホテル提携のタクシーで結婚パーティー会場のあるスーフルナイム(Soufflenheim)村に向かうことにしました。
まだ、外は明るかったですが、ストラスブールの運転手さんですから、この村の住所だけでは分かりにくかったのか、歩道にいる方に目的地を聞いておられました。「直ぐ近くの消防署の裏みたい」と言いながら、しばらく走ると広場が見えてきました。 タクシーは広場奥に止まり、「帰りもお願いしますね」みたいな話しをしながら、約82ユーロ(約12000円)の支払いを済ませました。テントを張ったような場所に数人の方がいて、私は最初完全に勘違いして、まだ会場は準備中でこの屋外でパーティーはされるのかなあと思っていました。 ところが、会場はその奥の建物の2階(レストランみたいなところ)でした。そのフロアーには、既に(目算ながら)100数十名方が座っておられ、梁の飾りや舞台には楽器などもありました。新婦(姪の大学の恩師)から、歓迎の挨拶を受け、私たちも日本からのプレゼントを渡しました。 早速席に着くと、まわりの方に自己紹介でした。すると「遠い日本から来たの!」と言う感じの受け止め方だったと思います。隣の方が、グラスにワインを注いでくれました。 そのボトルを見ると、アルザスワインではなく、なんとポルトガルのマテウス・ロゼでした。あとその後出された料理も、パエリア(スペイン風炊き込みご飯)でした。
私の右隣は、家族連れで奥さんはオレンジと白色の服が似合うなかなかの方でした。また、その娘さん二人が盛んにデジタルカメラで撮っていたので、ご主人に「あれは、ニコンですか?」と尋ねると、「ここの地域、カメラは日本製品ばかりですよ」と答えておられました。 また、私に代わってマダムしょうこが、私のことを「この人は、ホームページの作成とパソコンインストラクターをしていますよ」と紹介して下さると、ご主人が「えっ、そうですか」みたいに少し驚いておられました。 私も調子に乗って、(フランスのパソコンで見たら日本語で作っている私のホームページは最初から文字化けすることは分かっていましたが)名刺に書いている私の二つのホームページアドレスを指さしながら、「このアドレスから写真だけでもご覧下さい」と話しました。 まあ、後にも先にも日本以外の結婚パーティーは初めてでしたので、どんな感じで進行するのか興味深々でした。私たちがいる間だけしか知りませんが、日本の披露宴で見慣れている司会者や各挨拶などもなく、また参加者による歌や隠し芸などもありませんでした。 地元の歌手とおぼしき方か、何回もギターなどで演奏しながら歌っておられました。出席者の方は、その曲の中で踊りやすい例えばチロル地方の民謡風なの合わせて、各自のパートナーと一緒に踊るというスタイルでした。もちろん、アップテンポもあればスローナンバーもありました。
飲食を済まされた年配の方は、三々五々帰宅されているようでしたが、パーティやー踊りは、このような感じで、どうも明け方まで続くようでした。 私は、あまりお腹がすいていなかったので、じっと座っていましたら、パエリアがテーブルに運ばれてきました。久しぶりに米の入った料理で、これはこれでいいなあと思いキレイに食べると、また、お替りしてくれました。皿に残らずキレイに食べるのは、ここではお替りのサインと教えてもらい3回目はさすがに断りました。 ウェイターが、「ビールはどう?」と薦めてくれ、それが(ピルスナータイプのメテオかな?)なかなか飲みやすく、ついつい数杯お替りしてしまいました。満足したお腹やビールのおかげとさらに時間とともに雰囲気も慣れてきました。大勢のお客さんを相手していた新婦さんが少し開放され、「今が、チャンス」とばかりに、話しや記念撮影をすることにしました。 段々と明日の早朝便も気になり、22時前に同じテーブルの方々に、「明日出発が早いので、失礼します」と言ってもらうと、口々に「えっ、もう帰るの」みたいな雰囲気で、「また、お会いしましょう」と述べ合いながら出口に向かいました。新郎新婦の見送りで口々に挨拶をしながら、皆でカメラに納まり握手で別れました。 外の広場には既に先ほどのタクシーが来ており、一路ストラスブールに向けて飛ばしてくれました。太陽が高いこの時季さっきまでの薄明かりから、やっと夜のとばりが降りた街の灯は澄んだようにも見えました。運転手さんは、私たちが往復利用した関係からか22時40分の到着後料金は少し負けてくれ、おまけに書きやすいボールペンまで各自にくれました。 部屋に戻り椅子から足を投げ出し、整理できていなかった手帳に今日の出来事その他を書き留めていましたら、睡魔が襲い、いつの間にかコテンと横になっていました。アルザス・ワイン街道巡りといい、たぶんに一生に一度の経験だったろうと思う結婚パーティー出席といい、今日は忘れ得ぬ一日となりました。(掲載日:2004年8月5日) |