展望台の大爆笑
14時過ぎに食事を終え駅前通りをゆっくりと歩いた。途中アーミーナイフ、スカーフ、ハンカチ、スキー用品等のお土産店を物色して行った。14時50分ゴンドラのフィルストバーン駅(山麓駅、1060m)で往復39フランの切符を買ったがフランとサンチームの硬貨の数え方がややこしく手間取った。
このフィルストバーン駅を出発直後から眼下には牧場ばかりで所々にはカランコロンとカウベルを鳴らしながら草をはむ牛もいた。右方向の同じ高さにはオーバラー・グリンデルワルト氷河があり、その上にはシュレック・ホルンとヴェッターホルンがそびえてた。
グリンデルワルトは、別名「氷河村」と呼ばれている。それはオーバラー(上)とウンタラー(下)の上・下の両氷河がグリンデルワルトに迫っていたためと言う。今は標高1300mまで後退しているが上氷河は世界最低所の位置にあるだそうだ。
ゴンドラのグリンデル駅(中間駅、1995m)に着く前から「このゴンドラはロープにどうして結合しているのか? 仕組みはどうなっているのか?」等の話題が出ていた。15時10分中間駅から90度近くの急角度でターンする時その仕組みが良く分かり、一同納得した。
進むに連れ高度が上がり、「なぜ、まわりに木がないのか? その原因は何だろうか?」の話しに変わった。「高すぎて森林の高度限界を越えてるからでは」「牛や羊が木の若芽を食べて育たない」「元々木が育つ土壌ではない」等の諸説紛々出たが真相は分からなかった。15時20分に目的のフィルスト駅(山頂駅、2200m)に到着した。さすがに少し寒くなってきた。
全員揃ってから小高い丘のよう所に登ることにした。ここの真下は断崖絶壁の頂きで足がすくみそうになった。代わるがわるシャッターを押した。小林弁護士が少し断崖絶壁恐怖性で皆から「ここからが良く見えますよ」とか「雲で全然見えませんから」等と進められておられた。なかなか、雲や霧が切れないため下の方にあるレストランに移動することにした。
15時50分フィルスト展望台のテラスで カフェ2.8フラン、ビア3.5フランを頼んだ。ウェイトレスが「連れてきたガイドは無料」と言うと皆さん、「それでは次は私がガイドとか」「ガイド見習と言うことにしてもらって無料にできないか」と話しが続き一同大爆笑となった。(1994年1月1日記す)