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3フラン差のあるワインとは

 行きと同じ道をブラブラ歩いて帰るとフロントの時計は17時30分を指していた。ホテルマンにもバッグの件を頼んだ。ゴンドラ駅に再度電話してもらったが、まだ、だめのようだった。駅のホームの反対側にキオスクが空いていた。女性店員に見ぶり手振りで10枚の絵葉書と切手を買った。

 葉書はグリンデルワルトの村やアイガーの山等でなかなか奇麗なものだったので、早速夕食時間までに日本に送るため 3枚書くことにした。葉書の最後には赤字で「JAPAN」と書き1.80フランの切手(HELVETIA)と航空郵便(PAR AVION)をシールを張った。

 切手名のHELVETIAとはラテン語でスイスの意味と言う。多民族・多言語国家のスイスはドイツ語、フランス語、イタリア語の3つの公用語があり、さらにレートローマン語が国語に認められているので4つの国語がある。

 どの用語も使えば互いに問題になるので古代ローマ時代まだスイスが独立国家でない時この地方の総称としてラテン語で「HELVETIA」(ヘルヴェティア)と呼ばれていた。それで全国民が使用する切手にはこの名前が使われている。多民族・言語国家の抜群のバランス感覚とも言える切手名である。

 19時になり夕食時間となった。この地方はドイツ語圏で当然ながら料理もドイツ風であった。鶏、フライドポテト、少し塩味のきついスープ等出てきた。ここで山口さんが30フランの赤ワインを頼まれた。普通にボトルをそのままウェイターがグラスに注いでいた。 ほぼ山口さんのを飲み終わった後、私が色々種類を違えてみたいと思いボルドーの赤ワインを注文した。

 これは34フランで、するとウェイトレスが籠に入ったワインを運びウエィターに教えられながら白い布巾でボトルを包み私に試飲を薦めた。同じワインながらその注ぎ方まで違い「3フランの差でこれだけ扱いが違うのはどこからくるのか?」「味はどちらがいいのか?」等の話しがしばらく続いた。結局のところ「あのウェイトレスの練習台ではなかったのか」で落ち着いた。(1994年1月1日記す)


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