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ベルサイユ宮殿

 10時20分、ベルサイユ宮殿に到着した。金の門があり、さらに中に入ると正面中庭にルイ14世の騎馬像があった。写真やトイレ時間で待って、40分に団体専用のB入り口前に集合した。40フランの入場券を渡された。

 ガイドは美人で愛想のいいパリジャンヌのミシュレーさんだった。(以前、大阪・心斎橋の全日空ホテルで働いていたことがあり、朝日新聞で「日本で働く外国人女性の特集」にも出たことがあるとのこと)この日本語流暢なミシュレーさんの名ガイドで歩いた。日本の扇子を持って手招きしていたので「センスがいいですね」と言ったら、笑っていた。

 説明はヘラクレスの間、礼拝堂、アボンダンスの間、ビーナスの間、ダイアナの間、軍神の間、メルクリウスの間、アポロンの間、闘いの間、会議室、鏡の間、王妃の寝室、王妃の小室の順であった。その中でも鏡の間とマリー・アントワネットの寝室の間は華麗、壮麗、豪華等の総ての修飾文字が当てはまるようだった。

 最後の方にダヴィド作「ナポレオンの戴冠式」の絵は同じ物がルーブル美術館にもあるとの説明だった。ただし、一人の婦人の礼装が白でなくピンク色の違いだけでいずれもダヴィド作でどちらも本物だと言う。

 さらにこの絵は事実と違う箇所が一つだけあり、それはナポレオンのお母さんが戴冠式に出ていないのに描かれていると。理由はお母さんがナポレオンの嫁さんであるジョセフィーヌを嫌っていたからと言う。どこの国でも、いつの時期も、どんな偉いさんでも「嫁と姑の関係」は永遠の課題と思われた。

 11時50分、ミシュレーさんの説明が終わり、皆でお礼を言った。次のコーナーに売店があり、ここでベルサイユのガイドブック(76フラン)を買って中庭に出た。植木が見事で幾何学的模様に装飾されていて、とにかく大きい。

 日本で紹介されるベルサイユ宮殿は正面でなく、この裏面の庭からの写真が多く、風景もこちらの方が良かった。

 時間を気にしながらもフィルムを交換し、1本分撮った。12時20分、「パリビジョン」バスに集合し、ベルサイユを発車した。アラファト議長の警備のためかそれとも交通事故のためか最初あまり動かなかった。ブローニュの森を過ぎてしばらくすると、高速道路からスイスでも良く見た『TF1』のテレビ局のビルが見えた。

 13時10分、チュルリー公園前のバス停で降車した。小林さんが出迎えて下さった。ガイドのミシュレーさんと一緒にバスの前で写真を撮った。小林さんにベルサイユの報告をしながら、昼食を探してラーメン組とその他組と分かれる。

 13時40分、セルフサービスレストラン『インターナショナル・カフェ』に入った。野菜、肉類、パエリア風ありと豊富で暖かく、ロゼワインとの相性も良く、マアマアだった。(1994年1月1日記す)

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