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清流を枕に入る温泉
絨毯の張ってある階段を降りて、さらに行くと今度は長い木作りの階段がありました。どんどん行くと川の音が大きくなってきました。広瀬川の上流にあたる小さな川の岩の上に脱着場があり、その下に4種類の温泉がありました。広い風呂場に誰もいませんでした。
源泉が湧き出ている一番大きな温泉に足を伸ばすと頭には清流が枕のようになり、せせらぎが耳にここちよいものでした。「来て良かった〜。う〜ん満足」 こんな時に仕事やもろもろの面白くないことを本当にスッカリ忘れるものです。渓流沿いの岩場や枯れた草木には雪があっても、中は温かいものです。
「龍の湯」「真の湯」「鷹の湯」「河原の湯」と、入り比べていましたら汗が出てくるようになりました。その中でも小さいのですが「河原の湯」はあふれたお湯はそのまま川に流れてて、まるで川の中にあるようでした。時間が迫って来ましたのでカメラを出し、色々な角度から撮ることにしました。
遠隔操作で自分も撮ろうと勇みましたが、置き場がゴツゴツしたり角度がきつかったりと、カメラが落ち着きません。下に風呂桶をしいてもこれまた滑ったり、いいな〜と思ったら湯気がモワッと上がったりで、しまいには体が冷えてきました。何度となくお湯に入りなおし、やっと数枚撮れました。
実はこの渓流沿いの温泉場は最初から知っていた訳ではありません。いわき市の平駅ビルの本屋でたまたまガイドブックを見て、はじめて「作並温泉・岩松旅館の天然岩風呂」を写真で知りました。「わあ〜、こんな所に行ってみたいな〜」と単純に考えていました。
ただ、市販のガイドブックはたとえ写真入りでも、旅館、温泉、食べ物、店など当たり外れがありますから、いつも1から10まで信用していませんでした。特に今回は今朝本で見て来ただけですから、より一層バスの中ではそう思っていました。
しかし、実際にこの温泉に入って、見て、たまにはガイドブックの文や写真と同じだな〜と実感しました。また、別紙の通り、私は「温泉大好き人間」として、覚えているだけではありますが全国約40ケ所の温泉に入りました。その中でも印象深いひとつで、他人にもお薦めできる「作並温泉・岩松旅館の天然岩風呂」でした。
フロントで鞄を受け取りながら「ア〜、評判通りのいい温泉でした。また、来てみたいです」と言いました。先程と違うベテランの方が「ありがとうございます。わざわざ大阪から今日こられたのですか」と、丁寧な返事があり、少し話しが弾みました。
私みたいな泊まり客でなくあまりお金にもならない(せいぜい入浴料700円、タオル代300円ですからね)客に対しても嫌な顔もせず、逆にニコニコ応対されるこのベテラン・フロントマンには頭が下がりました。
当初予定していなかったのですが、ここの旅館特別調理成の山菜みやげを買うことにしました。最後にバスの時間と食事できる店を教えてもらい、「満足しました。ありがとう」と言って外に出ました。
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