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作並温泉にて、バスの終点が旅館

 仙台駅のバスターミナルで作並温泉行きを見るとあと15分位あり、丁度言いなあと思いつつ、駅へ戻りました。案内所で「作並温泉のガイドマップみたいな物ありますか」とたずねますと、「ちょっと待って」と愛想のいいおばちゃんがカウンターの下にしゃがんで調べてくれました。

 前の日の湯本温泉のことが頭にあったし、無駄足を踏みたくなかったので「旅館で温泉だけでも入れてくれますかね? 岩松旅館さんに行ってみようと思っているのですがね」と地図を受け取りながら聞きました。「あそこはいい所ですよ。2時位までなら入れてくれますよ」と返事してくれました。

 飛び乗るような感じでバスのシートに腰掛けました。急行とは名ばかりのように数えきれないくらい市内でもバス亭に止っていました。しばらくして作並街道に出て、広瀬川、田圃、山並みやさらに小さな町が交互にあらわれてくるようになりました。

 かなり行った所にニッカウイスキー仙台工場の特徴ある建物が見えてきました。バス亭も「ニッカ橋」で、ふとここで降りたら試飲ができ、ただで美味しいウイスキーが飲めるだろうなと思いました。バスは温泉郷に入り、大きな旅館ごとに止るようになりました。終点は岩松旅館でした。

 ここまで登ると雪がチラチラと舞い、道路にも所々ありました。ぶっるっとしながらロビーに入ると広く落ち着いた作りながら豪華な感じでした。「あのう、私は大阪から来ました。温泉だけでも入れますか?」と聞くと事務的に話す若いフロントマンが「1時間だけならいいですよ」と応えてくれました。

 あ〜良かったと思いながら鞄からカメラを取り出し貴重品もついでにあずけました。サアッと言う気分になり、歩きだしましたら、「タオルはお持ちですか?」と後ろから聞かれました。

 「ありませんが」「なければ隣の売店にありますよ」と。どこに行っても私のオッチョコチョイの性格は変わりませんねえ、カメラだけで風呂に入ろうとしていたのですから。誰もお客さんがいない売店で数種類のタオルから「作並温泉」と書いてある物を求めました。

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