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(写真1) サグラダ・ファミリア(聖家族教会)の塔上部(高さ約50m)から見るバルセロナ市街地


バルセロナ、サグラダ・ファミリア(聖家族教会)その3
2015年12月21日
(スペイン時間)
 前ページ「サグラダ・ファミリア(聖家族教会)その2」には、教会内の1階フロアーから見た柱、ステンドグラス、世界各国文字でのキリストへの祈り、1階フロアープランの模型などを見学したことを書きました。
今回のページは、サグラダ・ファミリアの塔上部から見たバルセロナ市街地の眺望(ちょうぼう)、塔内の階段などを中心に書いています。

(写真2) 左側:塔の飾り、右側:バルセロナの市街地

(写真3) 塔の内部(極一部部分)

(写真4) (建設途中の)塔の一部
(写真5) 約400段ある狭い螺旋階段(らせんかいだん)

(写真6) 出入り口の床面に描かれた

サグラダ・ファミリアの塔上部へ
 1階フロアーの見学を終わり、次は塔上部へ行こうと言うことで、エレベーターの前周辺でガイドさんから説明がありました。その概要は、「高さ50メートルまで登っていく。普通は大変混雑しているが、今日は予約しているので時間通りだ。狭いエレベーターなので少人数しか乗れない。下ってくるのはエレベーター、階段とも同じような場所に着く。私は、この辺りで待っている」みたいな内容でした。

 私の覚えが悪いので記憶定かではないですが、塔へ登るエレベーターは2基あるようです。そして、私たちの乗るのは、どうも「受難のファサード」側のようでした。ザックなど大きな物を返金式のコインロッカーに預け、私たちは順番を待つことにしました。

 しばし、待っていますと、09時50分に乗ることができました。中は、やはり狭いなあと思いました。中には女性オペレターがおられ、その方の指示や説明が、スペイン語か英語でありました。先ほどのガイドさんと同じような内容で、「50メートルまで登る」みたいなことは私でも聞き取れました。

バルセロナ市街地の眺望
 上昇している窓からは既に眼下に街並みが見えてきていました。時間計測などはしていなかったのですが、感覚的には1分弱で到着しました。エレベーターから降りた所も、床面や渡り廊下含めて狭かったです。それは、むしろ当然のことで、地面から見えていた細長い塔の内部だったからです。(写真3)は、エレベーターがあった所とは違う塔ですが、内部の雰囲気は、お分かり頂けるかと思います。

 あと、日本の城で言えば狭間(はざま=弓矢や鉄砲を撃つ小窓)みたいなものが塔の周囲にあり、そこから見えるバルセロナ市街地の眺望(ちょうぼう)は抜群でした。(写真1を参照) しかも、数十km先まで見渡せました。(写真1)をご覧になれば、お分かり頂けるかと思いますが、一部に高層ビルもあります。

 しかし、市街地全体が日本風に言えば建築基準法か景観保全法みたいな法律があるのか、とにかく同じような高さで整然としていました。その均一した建物の高さも私の目算ながら20mもない、5階建て以内みたい感じでした。

 また、多くの建物がアパート用と思われますが、それ自体、高さ制限だけでなく、四角形の一辺の長さ、あるいは造りそのもの、さらには縦横に伸びる道路幅も均等のようでした。そういえば、フランス・パリにある凱旋門からの眺めも似たような感じでした。それに比べ、日本の都市は戸建ての平屋建てから、数百メートルもあるような大きなビルディングまであり、良く言えば自由奔放、悪く言えばてんでばらばらの景観と言えるのではないでしょうか。

 各国とも歴史、建築資材、土地所有の形態(公有地、私有地)などの違いからくるものかもしれませんが、この景観は京都を除き日本ではないものだとの印象を持ちました。そして、その長所短所は別としても、都市景観を考える上で、バロセロナ市街地は見て良かったなあと思いました。

建設途中ながら想像も含めた美意識

 サグラダ・ファミリアの建設は、1883年にA.ガウディが新たに設計し直した時から起算しても、2015年現在で132年経ち、このままでは300年かかっても終わらない、「未完の教会」とも言われてきました。しかし、現代技術や建築資金の集まり具合などから、ガウディ没後100周年の2026年までに完成予定だそうです。

 ここで、(写真4)の中央部を参照願います。私の推測ながら、ここに写っているのは、建設中の塔の下部と思われます。下部と言っても既に60〜70mありそうな高さでした。さらに、想像を重ねますと、この塔は、2026年に完成時にそびえ立つ一番高い「キリストの塔(高さ173m予定)の脇にある塔の一つ(高さ130m予定)と思えました。たぶん、完成時には130mを超すのではないでしょうか。

 ここから話は脱線しますが、私のホームページに「月への美意識」というページを掲載し、そこには高校の先生から聞いた通り書いています。それは、主に次の<>内です。 <「現代人や西洋人は、月の満ち欠けで最も美しいと思って見るのは満月だ。しかし、平安貴族や万葉歌人は、満月よりも三日月みたいに欠けている部分も想像して、もしも、満ちていたら、こんなに綺麗だろうなあと言う想像の美も含めて楽しんでいた」と。  つまり、その時その場で見ただけで判断した美しさでは、本当に美しいと思う域に達していない、想像も働かせて見た美しさが本当の美の感性だと。>

  つまり、先生は「想像も働かせて見た美しさが本当の美の感性だ」と言いたかったと思います。このサグラダ・ファミリアは、何基もあるクレーンを始め、工事用鉄パイプ、金網などは至る所で見かけました。そして、どこでもカンカン、コンコン、たまにはガッシャンとの騒音、敷地内に出入りするトラックなどもあり、建築現場そのものです。しかも、完成時には18本の高い塔が林立予定の多くが、未完成です。

 このような状況を見ますと、「なーんだ、工事現場ではないか」と嘆かれる方も、いらっしゃるかもしれません。しかし、ある意味、工事の進展状況からして、その時々違った状況がそこにはあり、完成したら絶対見れないような貴重な光景を見ているのかもしれません。そして、建築中だからこそ、「このキリストの塔は完成したら173mになって、塔の周囲は・・・・・彫刻になるのでは?」とか、「近くからも遠くからも芸術的な塔になるのでは?」みたいな、それこそ見学者各自で、先の言葉通り「想像も含めた美意識」も楽しめるのではないでしょうか。

 塔内部を行ったり来たり、登ったり下ったりしながら、主に市街地を見学していたのですが、あっと言う間もなく時間は過ぎていきました。まだまだ、見たかったのですが、集合時間の関係上、私たちは塔から降りることにしました。

塔内の螺旋階段
 最初、「400段の階段を下りれば膝が笑って疲れるのでエレベーターで行こう」だったのですが、乗る場所に迷ってしまって、結局、階段となりました。この階段は、(写真5)の通り、螺旋(らせん)状で、しかも人一人が通れるだけの幅で狭いのです。

 登りと下りの人がすれ違ったら、お互い半身にして、触れ合いながら通行しないといけないくらいでした。そして、「この階段、なんかの映画に出てきたような感じねえ」などと話していました。私は、手すりにつかまりながら下へ、ゆっくり気味で向かいました。

 注意が精一杯で残りの段数まで数えていませんでしたが、階段の明り取りにもなっている長方形の四角枠から眼下を見ますと、地面に近づいているのが実感できました。予定時間通り、集合場所のフロアーに行きますと、ガイドさんが笑顔で出向かえて下さいました。

 そして、全員そろったので、「受難のファサード側を見に行きましょう」とのことで、その方向へ歩き出しました。そして、出入り口の床面に白色で(写真6)の絵が描いてありました。説明をされたのですが、何を表しているのか覚えていませんでした。

(掲載日:2016年10月17日)
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(旅行メモ)
2015年12月21日(スペイン時間) バルセロナ(Barcelona)、サグラダ・ファミリア(Sagrada-Familia)
09時00分、サグラダ・ファミリア(Sagrada-Familia)前に到着、ガウディ広場から教会などを撮影
09時20分、生誕のファサードの彫刻、彫像などを見学
09時40分、教会内部、ステンドグラスなどを見学
09時50分、エレベーターで高さ50mまで登り眺望を楽しんだ
10時15分、約400段のらせん階段を降りていった
10時25分、受難のファサード見学
10時35分、サグラダ・ファミリアの学校内見学
10時40分、自由時間(休憩)
10時50分、学校前に集合、次の見学地に向かう
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