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聞いた言葉・第207回目、好きこそ物の上手なれ

好きこそ物の上手なれ

  今回の言葉は、まず、広辞苑による次の<>内の解説を参照願います。 <好きなればこそ、飽きずに努力するから、遂にその道の上手となる > さすが、私のような素人が何か補足するまでもなく分かりやすい解釈です。あと、この言葉は、私の子どもの頃から、多くの方から聞きました。また、今回の言葉自体は、似たような言い方含めて、大昔から日本にあったようです。

 私は、生来の不勉強者で、特に、子どもや学生の頃、何回となく大人から聞いたにも関わらず、その意味を深く考えたことはありませんでした。お恥ずかしい話ですが、それなりに分かるような年代になって初めて、「あー、そう言う意味だったのか?」とか、「そう言えば、そんな感じのことも見たなあ」とも思いました。

 例えば、学校での勉強はあまり熱心ではないものの、機械いじりさせれば三食忘れても没頭するような、(同様に)楽器や音楽が好きとか、また、野球などのスポーツをしたり、話したりすれば日が暮れてもするような同窓生もいました。そして、私も社会人になってからの話ですが、同僚などの中には、仕事中の顔付きではなく、好きなことをしている間は、生き生きした表情も数多く見てきました。

 また、日曜大工作業でも「えっ、こんなこともできるの!」と思うようなプロ並みの力量や、アイデアを持った人も見ました。このような人たちは、先の広辞苑解釈通りで、好きだから努力、工夫もして、「その道の上手」の域にも達せられたのでしょう。いやいややっていたら、何事も直ぐには上達とまではいかないのではないでしょうか。

 ここで話は変わりますが、私は「聞いた言葉・第154回目、金太郎あめ教育の破綻」、「聞いた言葉・第51回目、ノボセモンを大事にす」ページを既に掲載中です。念のため、この二つのページ内容と、今回の言葉内容とは、かなり意味も、その用語例も違います。ただし、少しだけ共通していると思われるのは、いずれも「個性を大切にする」、あるいは「個性を伸ばし、生かす」という点です。

 人は定まった学校制度や、その他含めて、保育園・幼稚園、小学校、中学校、高等学校、専門学校、大学(大学院)、業務(企業)研修など、若い頃には、けっこう長期間、教育を受けます。さらに、医師、弁護士、パイロット、整備士などは、国家資格を取得するための特別の勉強や研修が必要でしょう。これらの中には、自ら選んだ大学の学部や職業上必要な教育は、当然おのずと進んで勉強されているでしょう。

 しかし、とりわけ小・中学校などでは、日本全体で「個性を伸ばし、生かす」ようなヨーロッパ型の教育システムになっているのでしょうか。もちろん、それらをやりたくても、制度上も予算上も教師の数などでも、出来ない制度になっているのかもしれません。また、学校だけの時間では、限度限界もあるでしょう。つまり、「教育」の二つの漢字の内で、「教える」だけになっているような、その子が「育つ」とか、その援助をしていくようになっていないとかです。

私の関係ホームページ
 金太郎あめ教育の破綻
 ノボセモンを大事にする
 何がヒットするか分からない時代
 予定調和はおもしろくない
 古人の跡を求めず、古人の求めたる所を求め
 反対意見にも真理あり

 一見すれば今回の言葉は、用語・解釈例からして、どちらかと言いますと大人向けみたいにも見えます。しかし、むしろ、この言葉は、先にも書きました通り、児童や学生時代に活用されればいいのではないかなあとも思えます。もしかしたら、金太郎飴的な見方しかできていないため、子どもの優れた潜在能力を見いだせず、画一的な対応にもなっているのかもしれません。

  人は、好きなことをやるのに今回の言葉で広辞苑で解説されている「飽きずに努力する」とか、情熱を傾けるのは、大人でも子供でも、そう大差ないような気がします。そして、そのようことで発揮され、つくられたモノ、あるいは集約された力は、個人だけでなく社会的にも大いに役立つような気がしています。


(記:2017年8月21日)

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