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聞いた言葉・第5回目、『反対意見にも真理あり』

反対意見にも真理あり

 この言葉は、以前大阪で努めていた会社の取締役から会議中に聞きました。(ただし、私は、この人とは立場も考え方も全然違う環境にありましたし、さらに言うなら、この方が、この言葉通りに実践していたかと言いますと、かなり疑問符の付くものでした)

 ただ、この言葉自体は、印象に残るもので、その後会議などで、かなりの討論になった時など、私自身も使わせてもらいました。

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 何か物事を進める時とか、雑談でも自分に対し、賛成意見や同調した意見を聞いたら、耳障りが良く、ここちいいものです。それに反し、反対意見や自分と違った意見をずばり聞かされた時などは、ムウッとしたり、反発したりすることもあります。

 私は、同じテーマや同じ資料に基づいて考えれば、その結論は、同じか大体似たようなものに達するものだと思います。しかし、その人の寄って立つ所の環境や考え方が違えば、同じテーマでも、その進路や解決方法など、全然違った意見が導き出されることを幾度となく、私自身も経験しました。

 それに、会議など、全員の意見を求められ、大勢の意見が出尽くした時に、反対や違った意見を言うのは、なかなか、勇気も伴うものだと実感しました。

 誰だって、自分の意見を述べる時、今までの経験やデータをもとに(目の前にある事柄も見ながら)ことによっては熟慮し、場合によって瞬時に言うものです。

 その中には、大勢の意見からすれば「正しい意見」ではない、むしろ反対の違った意見でも、その人の考え方や寄って立つ所の環境まで、否定できないものと思われます。

 場合よっては、その当時少数意見で全体からすれば、「否定」されても時を経る中で、まわりの環境の変化もあり、「正論」に変化していくことは、世の中に沢山あると思われます。

 社長や指導者と呼ばれる方は、まわりに賛成意見を言う人を置くことも必要ですが、いかに多くの「反対意見」「違った意見」を持つ人ことが、度量の大きい人だと思います。このことは、時として大きな力を発揮する財産でもあります。

 何でもかんでもトップダウン式に決めて、実行を迫る人は、一見時間の無駄がなく、強い実行力があるように見えます。しかし、人一人の考える範囲や行動力には、おのずと限度・限界があります。

 「調子よく、うまくいっている」時は、意外とトップダウンやワンマン式は、いいように見えても、逆に悪化した場合は、「合意形成」が少ない分、想像以上にもろいものだと思いました。

 「反対意見にも、真理あり」は、その時、一瞬だけを指していることではないと思います。(記:2001年9月14日)

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