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聞いた言葉・第12回目、『自己満足から出来る』

自己満足から出来る

 この言葉は、もうすこし長く書くと、「作家など、本を出すのは、まず自己満足が90%以上でしょう。他人がどうのと言う前に、自分自身出したいと思っているし、あと自分で納得・満足できるものでないと出せないのじゃないですかね」の中から引用しました。

 私のホームページ内「国内旅行」『ニセコ・小樽スキーツアー旅行記』は、1993年2月の旅行をまとめたものです。この帰りのバスの中で、たまたま、同席した若い女性(ステンドグラスが趣味の方で、様々な興味深いお話しをうかがいました)と話す機会に恵まれました。

 色々な話(私の夢一つである本の自費出版の話しなど)をする内に、私が「所詮は自己満足だけなのでしょうけどね」と言う問いかけに、先に述べたような言葉が帰ってきました。

 どんな世界、どんな仕事でも、本人が最初から何でも思う通りなることも、あるいはヒットすることも、ほとんど、まれなことだと思われます。

 今でこそ、何億何十億円と値の付く、ゴッホの絵でも本人生前中は、ほとんど売れなくて、生活費にも困っていたともいわれています。

 ゴッホほどの例でなくても、古今東西の作家あるいは芸術家・音楽家など(あるいは、そこまで至らないままの方も含め)の中には、全くその存在までも知られないままに去った方も星の数ほどだったと思われます。

 逆に、職業として芸術などの道を選択されなかった人でも、力作を残された素人の方も多くいらっしゃると思います。

  まだ文明の利器らしきもののなかった例えば遠くは、フランス・アルタミラの洞窟壁画にしても、近くは自然にある石に模様を刻み付けた古代日本人の例でも分る通り、人は何かを表現したい、できれば後世に何か残したいと言うのが根底にあったと思われます。

 それが、たとえ他人を満足させられなくても、自分で感じた感動、表現、証言、訴えなどをしたい欲求に駆られていたのでしょう。現代は、音楽、絵画、本、その他、芸術や文芸の方面では、表現するものや形に事欠きません。

 素人でも当然シンセサイザー、デジタルカメラ、(DVDなどの)録音再生装置、パソコンなども操作でき、さらにはインターネットでの表現もできます。一昔前に比べても、その多種多様さ、幅の広さは驚くばかりです。

 私もいまだに自費出版は出来ていませんが、それに替わるホームページで、多くの方の写真その他のご提供やご協力も受け、下手な文章表現ながら色々なテーマで原稿を掲載しています。「自己満足」かもしれませんが、自分の今まで見て、聞いて、食べて、経験したことなどを、誰からの制限も感じることなく、素直に書けるのは、自分ながらいいなあと、いつも思っています。

 私のホームページをご覧になった方(その多くが見知らぬ方)で、Eメールその他で、健康住宅素材や職人の作った器具に対する問い合わせ、音楽ページについての感想などを頂いています。また、中には私の返答に対して、お礼のメールも頂きました。

 「自己満足」からスタートした私のホームページでも、このような反応があったことじたい、正直言いまして嬉しいです。世の多くの方々には、持って生まれた才能が埋もれたままの方もいらっしゃると思います。この私でも(ホームページを活用し)少しは自分の書きたいことを表現出来たのですから、やる気のある方は、何でもチャレンジされたらいかがでしょうか。

 最初は、自分のみの「自己満足」でも、いつ、どこでヒットするか分らない時代だと思います。(記:2002年5月9日)

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