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聞いた言葉・第21回目、医者と弁護士は友人に持て

医者と弁護士は友人に持て

 この言葉は、社会人になってから、先輩達の誰かれなしに聞きましたが、私自身が、ある件(後で書きますが)を実体験したことにより、一層身近な言葉になりました。今回、弁護士さんとの関係に絞って書きたいと思います。

 私は、大阪時代、弁護士さんによる法律上の各種勉強会や裁判所での弁論の様子など、けっこう弁護士さんに接する機会が多くありました。著名な弁護士さんとも、大勢で居酒屋交流会に参加し、貴重なお話しを聞いた思い出もあります。

 さらには、公的な例えば各市役所の相談所などで、月何回か気軽に相談できる機会があることも知っていました。そのようなことから、「なんか困ったことあったら、まず、弁護士さんに相談しよう」と思っていました。

 私にとって忘れ得ぬことが、阪神淡路大震災の約4ヶ月前に起こりました。それは当時私が住んでいた池田市のアパートが、家主及びその依頼を受けた地上げ屋によって引き起こされました。詳細は省略しますが、私以外の1名を除き、約20軒の方が(事実上無理矢理に)、立ち退きの署名・捺印をさせられてしまいました。

 私は、(当時空港の交代勤務のおかげで)彼らにほとんど合うこともなく、直ぐに知り合いの弁護士さんと相談し、その後の交渉・折衝の全てをお任せしました。同じ住民の方に聞くと、引越し費用位しか提示されていないことが分りました。

 これはおかしいと、住民の会を発足させ、署名・捺印した人でも、「今まで通り住み続けるか、出るにしてもそれ相応の対応をすべきだ」との考えでまとまり、その後は私がお世話になっているお二人の弁護士さんに委任しました。その後、阪神淡路大震災が起こり、少し建物にも被害があり、さらには和解金も若干上積みもあったので、皆出ることになりました。

 署名・捺印させられた方含めて、最後退去の挨拶時に、「お金の上積みもあったし、泣き寝入りせずに良かった。お世話になりましたね」みたいな話しをされ、私も、なんか、ほっとしたような気になりました。(ただ、私は大阪で聞いた「大家は親も同然、店子は子も同然」と言ういい言葉を長年信じていたばかりに、当時の家主側のやり方に強い怒りを持ち続けていました)

 私は、弁護士さんに親しい友人の方がいらっしゃれば、それに越したことはないと思います。しかし、そうはなかなかいかないのも、日常あくせく働いている庶民としては実情だといえます。ただ、私の実例だけでなく、社会生活をおくる上で、この種の問題は、商品などの契約不履行問題、結婚、離婚、相続、家や土地の問題など、全くないとはいえない状況ではないでしょうか。

 日常何かあった時、普通は誰か親戚や知人などに相談できます。でも、上記のような法律上のことなどは、色々一人や家族で悩まないで、弁護士さんや市役所など公的機関の相談窓口に聞かれた方が、いい対応策がみつかるかもしれません。

 私自身の実体験から、ひと一人の考える範囲や行動は狭く、ことにあったての精神的な不安やストレスはそれなりにありました。そのようなことから、私は(大阪時代に)「なんか困ったことあったら・・・・・しよう」と言う訓練が自然と出来ていたのかもしれません。

 何も起こらなければそれに越したことはありませんが、起こったらおこったで、色々な方策は、あるのではないでしょうか。(記:2002年12月28日)

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