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聞いた言葉・第37回目、自然の中で生かされている

自然の中で生かされている

 
この言葉は、色々な方からお聞きしました。ですから、色々な角度よって、主旨は、同じでも聞いたテーマや場面が違いますので、今回は、冷暖房や家などに絞って書きたいと思います。私は、この言葉を知った中で、特に、お医者さんの書かれた誌面が一番鮮明に残っています。

 現代は(私の自宅は除きますが)仕事場でも住居でも、ほぼ冷暖房完備だろうと思います。その部屋の中にいれば、真夏でも汗をかかず、雪の降る真冬でも半袖でアイスクリームを食べるのも決して珍しい光景ではないと思われます。hana01.gif (109146 バイト)

 ただし、このエアコン完備の環境が体に全ていいのかと言うとそれは別物だと、お医者さんは書いておられました。なぜかと言うと、人間も動物だと言うことです。動物は、自然界の中で自然とともに”生かされている”、そのために自然に順応する機能が生まれながらに備わっているとのことです。

 人は暑い時には暑い時なりに、たくさんの汗を出すことにより体温調整しています。また、人間に最も身近にいる犬の例ですが、暑い時(私の小学校生の頃、実家は昔の家の造りでしたが)土間など一番涼しい所を本能的に良く知っていて、ゴロンと気持ち良く寝ているところを私も見たことがありました。

 そのような自然順応力と言いますか、もって生まれた動物としての本能が、現代の冷暖房完備の生活では、なかなか、発揮しにくい環境になっているのではないかと思われます。

 冷暖房完備のない時代の人(分りやすく”昔の人”は、自分の体温にも気温にも敏感で、衣類などにより体が冷えないよう気候に合わせて体調管理をしていたそうです。ところが、冷暖房完備の現代では、昔の人に比べ外気温に対するかまえに不足があるのか、体調管理が下手になったのかと思える状況があります。

 例えば、真夏に脱水症状を起して救急車で運ばれたりとか、テレビなどでも多く報道されています。昔の人は、(情報伝達が少なかったかもしれませんが)これほど脱水症状などで倒れたのでしょうか。その前に、ちゃんと色んな対策をしておられたと思います。

 それに、冷暖房完備をすることにより、昔と対比してものすごい石油・ガス・電気(=地下資源)の消費も発生しているはずです。いつかはこの地下資源も大事にしないとなくなる可能性もあります。このように書いている私自身含めて、今直ぐに石油・ガス・電気などなくなれば、これまた大変困ることでもあります。

 住居(民家)に関して言えば、何がなんでもテレビなどで宣伝されているような家を建てるのだと言う人は別ですが、考え方や設計しだいでは、冷暖房をガンガン使わないで住む家は可能なのです。昔風の木造りの家が、その一例です。

 なかなか個人として、出来ることが限られていますが、例えば冷暖房をできるだけ使うことを避けるとか、あるいはこれから家を建てる人から相談受けたら、「(昔風の)木造り民家もいいですよ」と薦めたいと、私は考えています。

 昔の方は、自然を敬い、自然にさからわず、自然をありのままに受け入れ、自然の中で生かされていることを知りつつ、でも、巧に自然の中で生きてこられたのだろうと思います。(記:2003年10月10日)

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