ローマ!何といってもローマです。
私は、この言葉を学生の頃、最初テレビの字幕で見ました。もちろん、その映画は、『ローマの休日(Roman Holiday)』です。オードリー・ヘプバーン扮する王女が、ラストシーンで記者団の質問に答えて、きっぱりと「Rome! By all means, Rome.(ローマ!何といってもローマです。)」と。
多分この映画は、多くの方がご覧になっておられると思いますので、あえて私がこのような発言をなぜしたかとか、全体のストーリーや感想などを改めて書く必要もないと思います。
この映画の記憶が、ずっと頭に残ったまま、私は1986年2月始めてローマに行きました。(この件については、『ヨーロッパ3空港調査旅行記』をご参照願います)
私が、まずローマで驚いたのが、学生の頃に世界史の時間で習ったコロッセオやサンピエトロ寺院などの名所旧跡が、ガーンと迫ってくる感じで存在していることでした。(この感覚は、ローマの前に滞在したパリでも、ローマの後に行ったロンドンでもなかったことでした)
次に、思い出したのが、映画『ローマの休日』で映し出されたトレビの泉などの各シーンでした。それこそ「あそこも、ここも、えっ、あの場所も映画に出ていたなあ」と思う感じでした。同行者の方ともこの時、歩きまわった場所ごとに、この映画について話し合ったのを覚えています。
帰国してから、レポートを書く都合もあり、再度ガイドブックや歴史の本などを何回も読んでいくうちに(「ローマは一日にしてならず」という言葉もある通り)「なるほどなあ、やっぱり、ローマはすごい所だなあ」と改めて、さらには(実際この目で見たことでもあり)実感とある種の感慨を持って、そう思いました。
2回目のローマ行きは、甥姪の大学入学祝いも兼ねての旅行でした。その旅行前に、いっそのこと映画『ローマの休日』に登場した場所全部をまわろうと思い、手作りの行程表を作りました。そのため、この映画のビデオを何回も見たのですが、見ればみるほど、この映画は最良のローマ案内だなあと思いました。
行程表を持って、映画と同じ場所を15箇所ほど順番にまわりましたが、さすがに全部はまわりきれずに終わりました。(この時の旅行記もいずれはこのホームページに載せる予定もあります。写真のみは、「ローマ観光写真」ページに掲載中です)
2回の旅行で、改めて約50年前の映画ロケで撮られた所が、ほぼそのまま残っているのには、本当に驚きました。日本では、鉄筋コンクリートのビルでも、築50年前から立て替え、取り壊しもあります。石造りの建物が多いとはいえ、ローマ(ヨーロッパ全体かな?)では、築50年・100年位は新しい方だと聞きました。
私が、万が一でもあと50年後まで長生きして100歳になり、さらに海外旅行できる体力があり、ローマに行って見たとしても、これらの場所はほとんど変らないと思います。
私が、他の都市と違うあの感覚をローマに持ったのは、やはり歴史や伝統、空気や雰囲気も含めて違っていたからだと思います。はたして、同じ首都でも、「東京!何と言っても東京です。」と、50年後も100年後もなるでしょうか。(記:2003年11月7日、一部追加掲載:2010年5月26日)
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