TOP INDEX BACK NEXT

聞いた言葉・第68回目、真実を自分で探す時代

 
真実を自分で探す時代

 
この言葉は、かなり以前からテレビ、新聞や週刊誌でもその都度見たような記憶があります。
普通に色々な方が、その時の状況を見て言われたり書かれたりしているのかもしれません。とりわけ近年のマスコミの情報操作とも思える状況下、その必要性が増しているような気がします。

 (この種の問題は簡単に書けないことはご了解願いますが)例えばイラク戦争前にアメリカは、その大義名分として「イラクには大量破壊兵器がある」とか「911テロと関係ある」みたいに世論に訴え戦争をし、それを丸ごと信じて検証もせずに日本も支持して突き進んでいったのは現在進行形ですから、ある面分かりやすいかもしれません。

 その時点では日本の政府だけではなく、マスコミも多くがその方向で報道していました。戦争開始直後「新聞各社の社説は、この戦争は止むを得ないのではないかで偶然にも一致した」みたいな論評をテレビで述べておられたのが印象的に残っています。果たして、そうだったでしょうか。

 イラク戦争は現在も続いていますが、結果を知るまでもなくアメリカ自身が「大量破壊兵器はなかった」と議会証言や報告書で述べました。

 テロについても以前よりも逆に拡大再生産しているような状況で、ますますヒドクなっています。しかもフセインを強大にしたのは、かつての歴代アメリカ政府の援助だったと(私自身の勉強不足もあるのですが)最近になって報道しているので知りました。

 それでもまだ、戦争前にその大義名分や正当性を言っていた人たちは、現在でも同じことを言うのでしょうか。現地イラクでは今まででも国民の多くの尊い命が犠牲になっているのです。そのようなことは私のような市井の者より、最も情報の入る方々は日々先刻ご承知だったと思います。

 このような現在のマスコミの状況は、負けていても「勝った勝った、敵戦艦轟沈・大破多数」とか玉砕や撤退しても「転進、転戦」と戦前の大本営発表を鵜呑みにして報道していた当時の状況と、どこがどう違うのか私には分かりません。結果は戦前も現在も弱い立場の人たちが一番犠牲になっていることだけは明確に分かります。

 今回のことは何も戦争など大きいことだけでなく、国内での政治、経済、選挙などの報道でも、一般の国民あるいは中小零細企業の立場に立っての報道をするのではなく、逆の立場で世論誘導しているような気がしてなりません。また、真実の有無だけなら、スポーツや芸能界の話題でも感じるものがあります。

 ただし、私は全部のマスコミや個別の事例含めて総てそうだと、決して思っても言ってもいません。いつの時代にも記者魂や報道の使命に燃えて頑張っておられる方もいらっしゃるものです。それにしても疑問に思うことが、目立つ感じはしています。

 そのような中、今回の「真実を自分で探す時代」という言葉は、何か報道があった場合、直ぐに真に受けるのではなく、あの情報は本当に、このような分析や評論が正しいのかどうかと、自分で別の情報を探し自分で判断し自分で答えを出していくべきだと教えておられるのだと思っています。

 そうは言っても、日常の仕事や生活に追われながら、真実の情報や国民の視点に立った内容を探すとなると、なかなか手間隙も含めて簡単にいかないことも確かです。ただし、一昔前に比べて情報を得るのにインターネット(ホームページなど)と言う便利なものも出現し定着化してきました。

 一つの情報に対して、ほぼタイムリーに多くの方から賛成、反対、異論含めて掲載されるので、日々大変勉強になっています。また、国民の立場を忘れた報道内容が今までどうなってきたのか、あるいは今後どうなって行くのか何かを暗示しているような気もします。結果として「真実を自分で探す時代」は、「一人ひとりでも情報に対して努力せよ」と言われているようで、私にとって耳の痛い話です。

(記:2007年1月9日)

TOP INDEX BACK NEXT