聞いた言葉・第69回目、『パリは見なくてもルーブルは見るべし』
パリは見なくてもルーブルは見るべし
それで誰かれなしに「どこを見たらいいですかね?」などと尋ねていたところ、たまたま居酒屋でズバリ言われる方が横におられました。その方は、出張や観光旅行などで、既に10回近く行かれたようで多岐にわたる説明の前に「パリは全く見なくてもいいですが、ルーブルは行って下さい。3日間パリにいるなから3日間丸まるルーブルに通ってもいいですよ。感動の連続でした。とにかくルーブル美術館は見るべしですよ」と言われました。 私は「えっ、そうですか。私は始めてですから、他の所も見たいのですが」と言いますと、「パリの美術館巡りもいいですよ。印象派美術館(現在のオルセー美術館の前身)、オランジュリ美術館などもいいですよ」と返事されました。いざ旅行となり同行の方も賛同され、ルーブルとオランジュリに行き、私はその後あと2回のパリ旅行でもこの3つの美術館巡りは繰り返すことになりました。 私のような絵の素人が言うまでもなく、ルーブルと言えば学校で習う美術だけでなく世界史の教科書でも出てくるような絵がたくさん展示されています。ルーブルの至宝とも言われているレオナルド・ダ・ヴィンチのモナリザを初めミロのビーナス、サモトラケのニケの勝利の女神像など、古いものならエジプトやメソポタミア文明時代から近代絵画以前まで展示されています。(時代区分の厳密さはないようですが、一応、近代絵画以降はポンピードー芸術文化センターのようです) ルーブル美術館の建物は、元々フランスの歴代の王により増・改築されたルーブル宮殿からできています。ガラスのピラミッドは、私が最初に行った時にはまだなかったのですが、建設前には「古い建物と似合わないのではないか」みたいな意見含めて相当賛否両論あったみたいです。 でも、現在は古くからある王宮とこのガラスのピラミッドが調和しているような気がします。また、地下のエントランスフロアーにある「逆さピラミッド」は、2006年放映された映画ダ・ヴィンチコードの最初のシーンにも登場し、より一層有名になったのではないでしょうか。 私は2度(1993年『スイス・パリ旅行記』、1996年『ローマ・パリ旅行記』)とも、ここの「逆さピラミッド」の真下まで行って、しげしげと天井部分などを見ました。最初からガラスと鉄骨との組合せで出来ていると分かってはいるのですが、なんかつい見てしまう、不思議な空間です。 「エントランスだから当然だ」と言えばそれまでですが、いつもこの「逆さピラミッド」周辺も人が多く、見方を変えればモナリザの鑑賞よりも、この空間を見ている人が多いのでは思うほどです。私はエジプトのピラミッドは見たことないので、なんとも言えないのですが、負けずとも劣らない人気ではないでしょうか。 あと、このフロアーにはたくさんの売店やレストランがあります。私の様な貧乏旅行者にも手頃で、しかもかさばらないお土産として好評なのが絵葉書やポスター類です。ただ、何を選んだらいいのか迷うくらいの種類があり、ここでも探すのに苦労しました。それで、絵心のない私が結局手にしたのが学校の教科書で見たような絵が多かったです。 パリを評する時「変わっていないようで変わっているパリ」とも言われていますが、このルーブル美術館も同じではないでしょうか。今月(2007年1月)旅行された大村市在住のNさん情報によると「ルーブルでは映画ダヴィンチ・コードの影響か、映画に出てきた作品が一カ所に展示してあったり、ミロのヴィーナスがひときわ輝くように見えるようにもしてありました」とのことです。(Nさんからは上記「逆さピラミッド」の写真も提供して頂きました) ガラスのピラミッドにしても中の展示工夫にしても、どこか変化もあるようで、なかなか目の離せない美術館であることには間違いないと思います。「パリは見なくてもルーブルは見るべし」と教えられた通り、機会あれば、また行ってみたいです。 |
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(記:2007年1月14日) |